バーレーン・サーキットの公式声明 「F1開催に問題なし」
2012年4月10日
この1週間、バーレーンGPに関する疑念の声が、多くのメディアによって報じられた。そのなかで、さまざまな関係者が2012年4月20〜22日のバーレーンGPが安全に開催されるかどうかに関するコメントを寄せている。
数週間の間に、いくつかのグループが中立的な立場でバーレーンを訪れ、状況の把握に努めた。その報告内容をまとめると以下のとおりだ。
ロータス・F1・チームが各チームに送った報告書
ロータス・F1・チームは現地の安全を確認するため、2名の代表をバーレーンに派遣し、2012年5月5日付で報告書を各F1チームに送付した。そこでは、次のように述べられている。
◆ロータス・F1・チーム
「サーキットとチームの安全を確保するための努力が為されており、その体制は満足できるものだった。抗議行動があったとしても平和的なものに限られ、反対の旗が掲げられ、何本かタイヤが燃やされるという程度にとどまるだろう。すべてが掌握されていることを確認でき、おそらく昨年開催していても警官の数がすこし多いぐらいで大きな違いはなかったと思われる」。
◆イアン・リンゼー(英国バーレーン大使)
バーレーンGPの会期中、F1関係者の安全に関する責任を負う英国大使は3月27日付でこう記している。「英国政府はシェリフ・バッシオウニ代表以下、ランドマークBICIからの指示に従い、バーレーン当局が講じた対策の内容に感謝している。F1開催は、現地の人々をまとめる上で、有意義な効果を発揮するだろう。抗議行動を計画するグループも存在するが、その考えは間違っており、地域の中、ましてバーレーン国民の中では少数派の域を出ない。これまでの活動は市の中心や多くの人々が訪れる地区から遠く離れて特定の区画におけるものだけだった。バーレーン当局は、間違いなくGPの円滑な開催に全力をつくすだろう」。
大使館の指示により、英国政府はバーレーンへの渡航制限を継続しており、最近では3月29日にこの処置が延長された。
イランに関する英国両院議員会議のベン・ウォーレスは、先週つぎのようなコメントを発表した。
◆ベン・ウォーレス議員(英国両院議員会議)
「バーレーンの組織改革は、昨年から大きく進展している。独立委員会の報告によると、予定されていた24項目の改革が15項目まで実行されており、その成果に内外の有識者が好印象を抱いている。私はイランに関する英国両院銀会議の議長として多数を占めるシーア派住民の待遇改善を推し進め、数か月の間に反対グループのメンバーとも会見を持った。必要な場合は中止を勧告する立場にあるが、現状ではバーレーンGPの開催が同国の環境改善に資するものと考えている」。
2012年2月にバーレーンを訪れたバッシオウニ教授は、こう報告している。
◆マフムード・シェリフ・バッシオウニ教授(バーレーン独立監視委員会議長)
「F1グランプリは国家的に重要なイベントとして広く国民の間に認められており、バーレーンが威信を賭けて開催するべきものである。経済、広報、知名度拡大の面でバーレーンに利益をもたらすばかりではなく、バーレーン国民を解放するために昨年の2〜3月から始まった大規模な改革運動の1周年を祝うイベントという意味もあるだろう」。
前ロンドン警視庁副長官で、バーレーン内務省の刑務化に顧問として招かれていたジョン・イェーツは、先週受けたインタビューの中で、当局が過剰な物々しさに陥ることなく、F1関係者及びファンの安全を確保するはずだという意見を述べた。
◆ジョン・イェーツ(前ロンドン警視庁副長官)
「警戒は控えめで目立たない程度であることが望ましい。しかし、必要とあれば体制を強化することができるだろう。世界中のどの国の警察でも行っていることだが、問題が発生した場合の対策はすでに検討されている。バーレーンにとっては極めて重要なイベントであり、延期の必要性はまったく認められない」。
◆ザイード・アル・ザヤニ(バーレーン・インターナショナル・サーキット代表)
「こうした議論が起ったのは、まったく関係のない立場から事態を傍観していた人々によるもので、その結果、中立的な団体が改めて視察を行うという労を取ることになった。これに少数の過激なグループがソーシャル・ネット上で行った船頭が重なり、現実の状況に対する誤解を招いたと言える。この数週間でいくつかのグループが視察に訪れ、いずれもF1開催に支障がないことを確認している。関係者には、ぜひ冷静な立場で現状を見聞きしたそれらの人々の報告を聞いていただきたい」。