小林可夢偉 予選後・会見全録【中国GP(土)】
「予選の『4番』は想像以上! リァリィ?と聞き直した」
◆金曜日に走れなかったが、今週は、クルマが基本的によかった!!
—-昨日の会見のときから、予選については、すごく自信ありげに見えていましたが?
可夢偉:それ、予選やる前に言ってくれたらよかったのに。予選終わってから、言うから(笑)。
—-いつも、”できない”ことは言わないでしょ。でも昨日は、「レースのセッティングを遅くならないように、でも(予選の)ポジションはもう少し上に行きたい」と言ってた。
可夢偉:それ(そういうこと)なら、毎回、言ってるでしょ?
—-いや、言ってない(笑)。今回は特別だった。
可夢偉:いまのニュアンスは、ぼくは、いつも言ってるような気はする。
—-いや、いつになく頼もしいコメントだった。
可夢偉:まあ「4番」というのは想像以上ですけど。でも、クルマが全般的に、今週はよかったから。そういう意味で、ちゃんとそこで、結果残せたというのは、チームにとってもよかったし。
この(予選の)結果(から)、明日、どうなるかわからないけど。明日はしっかり、クルマの性能を出せるように、やれれば──。まあ、結果はあんまり気にせずに、行きたいと思います。
—-クルマが今週”キマッてる”というのは、金曜日のセットアップがうまく行ったということ?
可夢偉:金曜日は、うまく行ってないですね。金曜(の午前中は)、ほとんど走ってない。そういう意味で、”走り出し”からパーッとうまく行って、まあまあ(のフィールで)。そんなに大きくハズしてないから、あとは微調整でいいかなという感じで、ずっとやって来てて・・・。
—-“イニシャル”(基本のセッティング)がよかった、という感じ?
可夢偉:(うなずきながら)今回は、直線が遅くなかったから。
—-昨日は、「大きく変えるかどうかも含めて、考えないといけない」と語ってたと思いますが、実際には、変えてない?
可夢偉:変えてない。
—-「微調整でいいかもしれない」と語っていた、その範囲内だったということ?
可夢偉:(うなずいて)路面の温度が、こうだったから。(昨日とは)10度くらい違うでしょ?
◆ミディアムタイヤだけで、結果的にはQ3まで行けた!
—-Q1で、ここは「一回で行けるかもしれない」として頑張っていたけど、Q1をミディアム・タイヤだけでクリアできれば、クルマもよかったので、いい予選になるなという手応えを感じていた?
可夢偉:それは、あんまりなかったんですけど。(タイヤの件は)Q2を確実に行ける(突破できる)ように(タイヤのオペレーションを)持っていこうと、そういう意味で。ムダに、タイヤ、使いたくないし。だから、Q2も(柔らかい方のタイヤは)要らなかった感じなんですよ。
—-あれは、やっぱり?(チームが?)
可夢偉:ぼく、(予選全体のことは)見てなかったんですよ。(自分のクルマの)データばっかり見てたから。チーム任せで。あとあと、ビデオ見たら、(ミディアムで)あ、全然、行けたやん!て。
—-Q3での走りもよかったということですが、Q1のミディアムも、Q3の一回目も、自分としては、とてもいい感じで?
可夢偉:まあまあ。わりと、セクター・ワンでタイムが伸びないのは、タイヤの温まりの問題?可夢偉:伸びない?みんな、伸びてなかったでしょ?
—-温まりの問題?
可夢偉:いや、それがわかれば・・・。何でかわかんないけど、なぜかみんな、あそこで、コンマいくつか損して。ぼくも最後、落ちてましたよ、コンマ2〜3(秒)。
—-気温が昨日より10℃くらい高いですが、こういう気温の方が?
可夢偉:それは、(ホントのところは)わからないです。ただ(チームとしては)寒くなったらこうする、暖かくなったらこうすると、単純に分けてるだけやから。
—-ペレスは、Q3で”アンダー”(ステア)が急に出たと語ってたけど、そういう症状はなかった?
可夢偉:ぼくも、出てたんですけど。セクター・ワンでは”鬼”のように。
—-そのとき、路面温度がまだ低かったから?
可夢偉:いや、ウォームアップ(の問題)だったら、そのとき、ほかのコーナーでもアンダーが出ないとおかしいでしょ?何で、セクター・ワンだけなんや?と、フシギなミステリーやから。
—-それは、セクター・ワンの間で温まるから、ということでは?
可夢偉:(それは)逆に、(タイヤを)ダメにしちゃいますよ。温まってないのに、ムリすると(いうことだから)。「風」(の影響)かと思うんですよ、どっちかというと。
—-セクター・ワンを出てのすぐの、左コーナーは大丈夫?
可夢偉:いや、そこも(アンダーは出る)。だから、両方ですね。(そこは)若干、マシやけど。
◆決勝でのメルセデスは、今日ほど、速くないはず!
—-決勝のグリッドが「4番」と決まったときには、どんな心境だった?
可夢偉:まあ、若干・・・。(無線で)聞き直した!
—-フーン。
可夢偉:そこ(ラスト・アタック)では、そんなに上がらん(と思ってた)から。”コンマ1”くらい行って(タイムが上がって)、「7番」くらいかなと思ってたから。
—-ライコネンの後ろくらいかな、というように?
可夢偉:(うなずく)
—-ハミルトンが「5グリッド降格」になるのは知ってた?
可夢偉:ぼくは知らなかった、全然。
—-だから、「3番」になるというのは、降りてから?
可夢偉:インタビューのときに、みんなが「3番」「3番」と言うから(笑)。だって、いつも、そんなところにいないじゃないですか!
—-ハミルトンのギヤボックスのことは知ってたでしょ?ただ、まさかそれが
自分に関係してくるとは?
自分に関係してくるとは?
可夢偉:そうそう。気にもしてなかったから。
—-今回は、とくに予選に重きを置いていた?
可夢偉:普通にやってました、あんまり、そこは考えずに。
—-でも、昨日から、予選でできるだけ前に!とは言ってたよね?
可夢偉:まあ、レース重視ですよ。
—-裏のストレートは、メルセデスが速そうですね?
可夢偉:でも、レースは、リヤウイング(に着いている特製システム)が使えないでしょ。だから、(彼らがそれを使えるのは)予選だけやから。レースになると(直線でも彼らとは)そんなに変わらないと思う。
—-その前に(メルセデスを)抜いてるかもしれないしね?(笑)
可夢偉:それは、むずかしいでしょ(笑)。
—-スピードトラップ(の計測)では、ザウバーの二台が1位と2位なんですけど?
可夢偉:それ、ギヤ比でしょ。
—-それは、狙い通り?
可夢偉:ぼくら、(レースで)抜く予定でいるから。・・・抜く予定というか、(予選で)ポールポジション取る予定(戦略)じゃないから。
—-グリッドが「3番」だと”予定”が狂っちゃったんじゃないの?(笑)
可夢偉:ポールポジションじゃないから、全然、十分! ただ、去年は、リミッターに当たって、抜けなかったから。
◆タイヤのウォームアップについては、まったく心配していない
—-明日、スタートですけど、どんなスタートで行きたい?
可夢偉:・・・!(笑)
—-周りにいる人たちが、全員、後ろにいる、とか?(笑)
可夢偉:それはユメでしょ、予想じゃなくて(笑)。・・・わかんない、その場、その場を凌いでいくしか──。
—-シューマッハが、何かしそうだよね?(笑)
可夢偉:いや、しないと思うね!
—-シューマッハとは、縁があるよね?
可夢偉:まあ、何とかなるでしょ(笑)。
—-この「4位」が、自身の、予選でのベスト・リザルトというのは認識してますか?
可夢偉:それくらいは、わかります(笑)。
—-それについては、やったー!とか、達成感があるものですか?
可夢偉:いや、全然。
—-3番グリッドに”座る”感覚というのは?
可夢偉:座ったことないから、わかんないです(笑)。・・・これで、スタート、ヘボったらすごいよ、何を言われるんやろ、と思って(笑)。
—-プレッシャーが?(笑)
可夢偉:プレッシャーはないけど。
—-このサーキットのグリッド位置は、アウト側とイン側では、けっこう違う?
可夢偉:どうなんですかね。あんまり、意識してない。
—-前のグリッドに、早めに位置について、止めて待つということになると、去年の日本GPの時のように、グリッド上でいつもより長く待つことになって、タイヤが冷える問題が生じる?
可夢偉:ぼくは、それは大丈夫なんですよ。ウォームアップは、全然、去年よりいいから。それはあんまり心配してない。
—-この(マレーシアからここまでの)二週間は、早くレースをしたくて、待ってましたか?
可夢偉:いやあ、そんな、あんまり、考えてなかったです。
—-トレーニングして? 一日、何時間くらい?
可夢偉:それはまあ、適当に(笑)。だから、健康的な日々ですよ、朝は早いし。
—-トレーニングは、基本的にはインドア?
可夢偉:そうです。東京の外は、信号ばっかりやし(笑)。
—-花見は?
可夢偉:トレーニングしてて、はい、花見はしませんでした(笑)。
—-ここも、桜、咲いてるよね? でもソメイヨシノじゃないからね、ここのは(笑)。
可夢偉:日本の桜が一番ですよ。
—-エンジニアのフランチェスコとは、予選後には何か話した?「3番」だといわれて?
可夢偉:え、マジ?(オー、リァリィ?)って(笑)。
—-そしたら、彼は何と返した?
可夢偉:ただ、イエスって(笑)。二人とも、言葉があんまり得意な方じゃないんで。
—-(笑)。明日は、”日本の桜”をここで、バーッと咲かせてください(笑)。
可夢偉:(微笑)
【STINGER/Hiroaki Iemura】