ハミーに訊く【F1が楽しくなるタイヤ講座】”ムジェロのキモ 1/2
ムジェロ・サーキットで、シーズン中唯一の合同テストが行なわれる。ムジェロがテストの会場に選ばれたのはなぜか? タイヤの見地から、ブリヂストンからフェラーリに移籍し、”ビークル&タイヤ・インタラクション・ディベロップ・ディレクター”として活躍中の浜島裕英エンジニアに訊いた。
◆ムジェロとカタルーニャ
STINGER編集長山口正己(以下STG):バーレーンGP、お疲れさまでした。
浜島裕英(以下、浜島):お疲れさまでした、お互いに(笑)。
STG:まぁ、いろいろありましたが、ともあれ、4戦が終わって、タイヤの方向も見えたのではないか、と勝手に思いつつ(笑)、注目のテスト会場であるムジェロ・サーキットについてお伺いします。
浜島:はい(笑)。
STG:まず、ムジェロは、どんなコースなのでしょうか?
浜島:コーナーは中低速が主体ですが、ストレートが長いですね。
STG:それはタイヤ的には?
浜島:かつて、MotoGPでトラぶったことがあります。
STG:ストレートが長いと、タイヤが路面に叩かれてストレスがかかる?
浜島:ですね。
STG:ブリヂストンがMotoGPを始めたばかりですか?
浜島:いや、何年か経っています。性能向上を突き詰めていましたから。
STG:他に思い出は?
浜島:F2の時代ですね。
STG:F1の前ですね?
浜島:1981年ごろです。
STG:え、30年前!! 産まれる前です(笑)。
浜島:ははは、当時は、鈴鹿に似ているコースでした。路面も、速さも。いまは随分変わりましたが、当時は、バンピーでしたからね。MotoGPをやるようになって、路面がスムーズになりました。
STG:タイヤテストの場としてはどうでしょうか?
浜島:難しいですねぇ。中低速というコーナーの成り立ちからいうと、次のスペイン-バルセロナのテストにうってつけかどうかは、ちょっとわかりません。改装される前のバルセロナ*と違いますから。
*注:サーキット・デ・カタルーニャ(通称バルセロナ・サーキット)は、1991年に誕生してスペインGPの舞台になっているが、安全性の見地から、何度かコースが変更されている。
ハミーに訊く【F1が楽しくなるタイヤ講座】”ムジェロのキモ 2/2に続く。
5月1日の午前10時に公開予定です。