Q3に”異変”!?
予選Q3でちょっとした”異変”が起きた。
異変の予兆は、最初にコースインしたセバスチャン・フェッテルが、長いことピット出口に停まっていたことだった。通常なら、タイヤが冷えるのを嫌って、ギリギリまでタイヤウォーマーで温度を保っておくものだ。
あんなに長くピット出口で待ってていいの? という疑問はすぐに解けた。Q3前半、走ってるのはフェッテルだけ。それも、クルージングペース。もしかして、全員がアタックなし? そんなことまで考えさせる今年のF1である。
フェッテルは、タイヤを温存して、アタックを行わなかったのだ。
その後、何台かが新品タイヤで出た。その中でマクラーレンのL.ハミルトンがポール、2位にウィリアムズのマルドナド、そして、フェラーリのアロンソが、地元で3番グリッドを得た。しかし、アロンソは、「もちろん、嬉しいけれど、ここは正当なポジションとは思えない」と肩をすぼめた。
決勝レースにタイヤを温存する作戦は、昨年まで中団グループの常套作戦だった。しかし、トップグループがその作戦を取るようになった。もしかすると、タイヤの供給本数を増やさないと、決勝にタイヤを温存する作戦が定着して、予選が面白くなくなりそうだ。
もはや、予選グリッドではなくて、決勝にいかにタイヤを残すかが、勝負の分かれ目? そういう時代か。カタルニア・サーキットは、過去10年で、ポールポジションが優勝しなかったのは去年だけ。この傾向が崩れて、それは単なる伝説になるのかどうか。
そこも含めて、明日のレースは、どうなるのだろう。天気予報は、もしかするとウェットレースであることを伝えている。
[STINGER]山口正己