小林可夢偉 会見全録【イギリスGP(木)】2/2(メディア会見)
「タイヤが外れなかった問題は、まだクリアにはなっていない・・・」
◆”マリア”の事故は、アンチ・・・ストールの問題ではないはず?
—-外国人プレスの会見では何を?
可夢偉:マリアのことです。
—-あ、テストで事故に遭ったマルシアの”マリア”(デ・ビロッタ)のこと? 「アンチストールが作用しなかった」と言われていますが、アンチストールは、低速になるとクラッチが自動的に切れるというように思ってますけど、それでいいんですよね?
可夢偉:ウン(うなずく)。
—-そうなると、急に加速して事故になったというのは、どういうことが考えられますか?
可夢偉:状況がわからないから、ねえ。
—-スピンして、コースオフして、アンチストールがかかった状態になったら、次に何が起こる?
可夢偉:クルマが止まるだけ。
—-エンジンはかかってる?
可夢偉:アクセル踏んでも、進まない。だから、アンチストールとかの問題じゃないんじゃないかな。
—-アンチストール自体は、クルマ(F1)に慣れてない人が、それのせいで事故を起こすようなものではない?
可夢偉:全然、逆ですよ。
—-(アンチストールは)逆に、安全・・・。
可夢偉:ですね。
—-じゃ、スロー走行してて、いきなり加速したとしたら、それは(ドライバーが)自分でやったということ?
可夢偉:ちょっとホイールスピンをさせてみたとか、そのくらいしか、ぼくの中では思いつかない。そこで加速するというのは、普通の乗り方じゃないので。
◆スペインでのセナの行動は、けっこう怖かった!
—-さて、前回のバルセロナですけど、セナとの接触事故は、けっこう怖かった?
可夢偉:あれは”人殺し”に近かったですよ(笑)。あれ、(ぼくが)ブレーキ踏んでなかったら、そのまま、空を飛んでいた。
—-去年のウェーバーみたいに。
可夢偉:(頷く)。
—-ちょっと確認したいんですけど、マッサを抜いたときって? マッサには、ずっと前にいたじゃないですか、セーフティカーが入るまでは? ということは、セーフティカーが入る段階で、どっかで抜かれた?
可夢偉:ぼくがディ・レスタを抜きにかかって、もたついていたときに、あのクルマ(フェラーリ)速いから、ピーって抜いていったんですよ、直線で(笑)。
—-じゃマッサを抜こうとしたときは、マッサが前のクルマに塞がれていたときに?
可夢偉:そこを、横から・・・。
—-あのあと、セナとは話をした?
可夢偉:してないです。話すこと、ないでしょ!
—-ペーター(ザウバー)とは? 何か言ってた?
可夢偉:えーとねえ、なんか、よくわからないこと言ってました。
—-怒ってて?(笑)
可夢偉:怒ってるのか、怒ってないのか、よくわからないことを(笑)。いろんなことが起こりすぎて、何を言えばいいのかわからなかったのでは、たぶん?
—-ペーターって、基本的に、いつも怒ってますよね?(笑)
可夢偉:あんまり、怒られてないですよ(笑)。この前も、怒られたってことじゃないですよ。だって、ピットストップはチーム(の問題)だし、あのフロントウイングも(ドライバーとしては)どうしようもないし。
—-マッサの件は?
可夢偉:マッサは、まあ、ちょっとやり過ぎたかなっていうくらいだけど。でも、あのまま行ってたら、ポイント取れてないじゃないですか。ぼくは、ノンストップで、40周くらいタイヤ交換なしで行こうと思ってたから、怒られるというよりは──。
—-むしろ、怒りたかった?(笑)
可夢偉:(頷く)。
◆タイヤが外れなかったのは、どうしてなのか?
—あの”ピット”の作業遅れは、単純に(クルーの)スキルの問題?
可夢偉:いや、タイヤが取れなかった。
—-熱の影響で?
可夢偉:わかんないです。
—-その対策をやらないと?
可夢偉:いや、(対策を)やって(それを)入れてたんですけどね。
—-じゃあテクニカルな問題があるということですね、チームとしての? ぼくらはすぐ、スタッフが変わったからとか、そういうふうに見ちゃうけど?
可夢偉:そうとも、言い切れない。
—-でも、それが解決しないと心配だよね?
可夢偉:言ってくださいよ!(チームに)
—-ああいうときって、レース後、メカニックと話したりするの?
可夢偉:まあ、話はしますけど・・・。メカニックは外国人なので、”運がない”と。
—-ゴメン、とは言わない?(笑)
可夢偉:日本人なら、なにか言うじゃないですか。でも、”運がないな、お前は”(笑)。これがガイコクですよ、日本とは違います。
—-ところで、ここは真っ平らなコースで、風の影響が受けやすいと思いますけど?
可夢偉:まあ、悪い面で言うと、風の強さがすごいから、ここは。
—-たとえば、旗の動きで、風の動きを見る、とか?
可夢偉:それは、誰が言ってるんですか? 不思議なんですよ、旗の動きでっていうの・・・。絶対、オレ、ウソやと思うよ(笑)。
—-イーヴァン・カペリ(元レイトンハウスとフェラーリに乗ったイタリア人元F1ドライバー)。
可夢偉:え?
—-それって、走ってるときに?
可夢偉:走ってるときに、風の流れを見ろっていうんだけど・・・。
—-イーヴァンは、そうしたって。
可夢偉:これ以上、曲がれへんし、ムリでしょう?
—-ガラガラに、コースが空いてたときの話じゃない?
可夢偉:コーナー、旗見ながら曲がっていくというのは・・・。
—-ところで、さっきの取材で、”ポール取って、ゴバン降格で”ってコメントしてましたけど、本気度はどのくらい?(笑)
可夢偉:気持は、百五十(パーセント)以上ですよ! 千パー(セント)くらいです(笑)。
—-テレビ向けのリップ・サービスじゃなくて?
可夢偉:気持は、一千パー(セント)。実際に(ポールを)取るか、取られへんかは、知らないけど。夢を見るのは、簡単やから、でしょ。
—-珍しいね、”夢を見る”なんて言い方、あまりしたことないのに?
可夢偉:キレイな美人の夢を見ることって、あるでしょ(笑)
—-妄想とも言う?(笑)
可夢偉:そうそう!(笑)
【STINGER/Hiroaki Iemura】