小林可夢偉 予選後･会見全録【イギリスGP(土)】1/2（テレビ会見）
「みんなと同じタイヤなら、いいタイム出せるのはわかってるのに！」
◆このレインという条件では、一周だけでは、好タイムはムリだ！
—-赤旗まではとても”いい流れ”で来ていて、期待もいっぱいだったんですが、あの赤旗･･･というか、赤旗の後ですね?
可夢偉:はい･･･。
—-再スタートの時のタイヤ・チョイスなんですけど、結局、ヘビー･ウェットの方（のタイヤ）では、一周しか走らなかったですね?
可夢偉:あのぅ、･･･バカというしかないと思いますけど（笑）。単純に、ぼくはもう、無線で”ウェットで行こう、ウェットで行こう”と言ってるんですけど、（チームが）何を焦ったのかわからないんですけど、あのタイヤ（溝の浅いインターミディエイト）を付けて──。とりあえず、ウイリアムズがエンジンをスタートしたんで、彼らの前に出るために、ぼくらもスタートするというハメになって･･･。
何というんやろ、一瞬考える時間が必要だなという感じになって･･･。みんなと一緒のタイヤ付けたら、みんなよりいいタイムを出せるのはわかってるし。
さすがに、ウェットで一周だけ頑張れって言われたって、あの状態で、あれだけ雨が降って、どこまでドライになってるかわからない状態で、どこまで乾いてるのか、どこまでプッシュすればいいのかもわかんないし･･･。”一周あるから大丈夫だ”なんて言われたところで（苦笑）なかなか、難しいものがあるし。まあ、（チームとしての）課題ですね、ほんとに、これは･･･。
—-そのへんは”チーム力”っていうところかなとは思うんですけど?
可夢偉:ほんとに･･･。何なんですかねえ、ちょっと、よくわかんないです。
—-マクラーレンなんかは、周りの様子を見ながら、最後はウェットに戻しているんですよね。そういった余裕が、エンジニアにほしいですよね?
可夢偉:まあ、ほんとに、何だろう、イタリア人だからしょうがないのかなとか思うんですけど（笑）。ほんとに、ねえ、そこらへん、これからどうしたらいいか、考えなきゃいけないですね。
—-可夢偉選手とザウバーとしては、Q2最後の、グロージャンがスピンしたときに、セクタースリーは”イエロー”（フラッグ）が出ていたんですけど、アロンソ、ベッテル、マロナード、かな。その三人が、セクタースリーは”白”だったんですけど、タイム的に。でも、最速を更新しているというのは、全然プロテストしてないんですか?
可夢偉:それは、ないんですよ、実際。”白”だと、（抗議は）できないんですよ。それは、いつも話していることで。残念ながら･･･。
◆スタート時は水煙で何も見えないので、焦らず、レースに入っていきたい
—-さて、明日のレース、ウェットと、ほぼわかっているわけですけど、今日の感触から、どのへんまで行けそうですか?
可夢偉:まあ、ほんとにねえ、ウェットの、この（スタート）ポジション･･･。実際言うと、ほんと（スタートは、前車が上げる水煙で）真っ白で、見えないと思うんですよね（笑）。だから、まず、ほんとに、焦らず、最初に（考えなきゃいけないことは）レースを終わらせること、ヘンな事故に巻き込まれない。そこから、ちょっと安定してきたくらいから、レースが始まるんじゃないかなと思います。
—-今日のQ1で、一番最初に出ていったとき、すぐに前車をパスして、クリアな視界で走れたと思うんですけど、あれで、チームのエンジニアが”オイシサ”を知っちゃったのかと思ったんですけど?（笑）
可夢偉:まあ、そういうところが、ちょっとねえ、”幅が広くない”というか･･･。そこはもう、どうしようもない、しょうがないですね。
—-明日は、やれるだけやる、と?
可夢偉:はい！ やれるだけやって──。これから、対策を。マレーシアもそうだったし、今年は”雨”で、まともなことをやらしてもらえない。ちょっと、しっかり、考えたいですね。
—-セッティングとしては、ウェット寄りかと思いますが、ウェット、インターミディエイトを履いたときの感触は?
可夢偉:ドライでも、タイムはけっこう速かったんで。（ドライもレインも）どっちが来ても大丈夫だし、両方”行ける”ようにはセッティングしてるので。まあ、あんまり心配してないです。
—-ガツンと行ってください！（笑）
可夢偉:はい、ガツンと、チームには言ったんですけど（笑）。
—-頑張ってください、ありがとうございました。
可夢偉:はい！
【STINGER/Hiroaki Iemura】
