小林可夢偉 レース後・会見全録【ドイツGP(日)】
「いま、ぼくらがやれることのベストを尽くした。50戦目に、そんなレースができました!」
◆ドライでは速いクルマに仕上がっていた!
—-いいレースでした! 50戦目で5位。ほんとだったら、
小林可夢偉(以下、可夢偉):レースの内容としては、これが(ボクらが)やれる状態でのベストだったかもしれない。よかった点は(決勝は)晴れで、予選で、ドライでプライム(タイヤ)でパッと出て行ったときに速かったように、ドライで、(決勝の)レースでも速かったから。
まあ、(問題は)スタートポジションだけで(もっと前で)レースできたら、展開も全然変わってきたと思うし、もっとラクだったと思うんですけど。
まあこれは、雨でのパフォーマンスをちょっと落としてる分、ドライで(こういうパフォーマンスができた)ということかもしれないし。これは、しょうがないですけど。まあ、次の課題だと思います。
—-でも、ほんとに”レース・ペース”はよくて、第3セクターでは、可夢偉選手がずっと、ここでの最速のドライバーであり続けたんですけど?
可夢偉:まあ、クルマ自体、そんなにバランスも悪くなくて。タイヤも、けっこう保ってくれたので。そこでプッシュして、タイヤを壊すわけにはいかなかったんで。ちょっとコントロールしながら走って、(それで)あのタイムが出ていたというのは(よかったと思う)。タイムが安定してたんで、その点では、金曜日に、全体的にクルマがボロボロだったのに、よく、ここまで持ってこられたなと思ってますね。
—-レースを振り返って、トップのアロンソからのギャップを見ると、17周目、二人ともまだピットインしてない状態での、アロンソと可夢偉選手との差は「18秒」で、そこから50周後の67周目での差は「22秒」。つまり、50周走って、変化したのは「4秒」だけ。可夢偉選手はいろいろ抜いてきたりしなければならなくて、相手(アロンソ)はクリーンで有利。そう考えると・・・?
可夢偉:まあ、最初だけ・・・。(そういう差は)だから、スタート・ポジション(の違い)ですね。そういうのは(決勝レースの間だけでは)どうしようもないし。だから、これからの課題というのは・・・(予選になると思う)。
普通に(予選のセッションに)入れば、(クルマは)速いんですけど。雨の(降ってきた)タイミングとか。雨はもちろん想定外で、そこで、速い、速くないというのは、これはわからない状態だったし。これは、次のチャンス、次の課題にしたいですね。
—-ピットストップの時間にしても、まだまだ、縮められるのではないかと思いますけど。二回目のストップにしても、ヒュルケンブルグの前で戻れるかと思っていたら、そうでなかったし?
可夢偉:あんまり、前回(ピットインの時にミスを)やっちゃったんで、自信がなくて。プッシュできない部分もあったんですね。それは、次に──しっかり練習して、レベルを上げていかなければいけないし。それは(これからの)ひとつひとつの積み重ねだと思ってます。
—-でも、ほんと、予選だけですね。さっき、モニシャ・カルテンボーン・チーム代表に、「このチームには”統制”が必要だ」って言ったんですけど、そしたら、「そうだね」と言ってました(笑)。
可夢偉:ほんと、それだけで(笑)。自分たちのできること、やれることをやって、クルマもできてると思うんですけど。いろんな条件が──マクラーレンが雨だとダメだという状態で、そういうのは、みんな一緒だと思うんで。そういうなかで、ぼくらの”規模”で、よく、これだけやってると思うし。
もちろん、(レースによって)”いい/悪い”はあって、また、経験不足の部分もあるかもしれないけど、ほかのチームと較べてね。それでも、ひとつひとつ、積み重ねて(やって行けば)。そういう意味で、これから、まだシーズン半分来ただけだし、これから、どう巻き返せるか、楽しみです。
◆レースでターゲットにしていたのはディ・レスタだった!
—-スタートのタイヤなんですけど、あれは、どのくらい、フォース・インディアを意識してのチョイスだった?
可夢偉:完全、フォース・インディアです。
—-マークしていたのは?
可夢偉:ディ・レスタです。彼と違うタイヤで行くというのが、今回のぼくの戦略だったんで。実際、全然、タイヤ決まってなくて。直前に(彼を)見てから、行こう(決めよう)と。
—-見てたんですね、彼を?
可夢偉:見えたんですけど、それしかないなあ、と思って。マトモに勝負するよりも、何か、アドバンテージ、ディスアドバンテージ、そういうのを作りながら・・・。(ディ・レスタより)前を走っていれば、こっちの方が速いと思うんですけど。アドバンテージを持った状態で、抜きに行きたいというか、そういう狙いで。結果的には、よかったと思います。
—-おもしろかったですか、フォース・インディア勢とのバトルは? それよりも、ウェーバーとの闘いの方がおもしろかった?
可夢偉:あんまり、とくに(どっちともいえない)・・・という感じですね、全体的には。
—-じゃあ、来週も期待してます。
可夢偉:はい、頑張ります、ありがとうございます!!
【STINGER/Hiroaki Iemura】