小林可夢偉 予選後・会見全録【シンガポールGP(土)】2/2(メディア会見)
「超オーバーステアは、予選でも、ついに変わらず・・・」
◆まるでアクセルを踏めない予選になってしまった
—-昨日は、クルマが最悪の状態だということでしたが、今日は?
可夢偉:結果の通りで、今年、一番最悪の予選でしたね。
—-トラフィック(渋滞)もあった?
可夢偉:ありましたけど、まあ・・・。予選はあまり(トラフィックは)関係ないです。クルマがキマってる/キマってないじゃなくて、完全に、方向が見えなくなってる。誰かが、P3(フリー走行3)の最後に、”ホッケンハイム・セットや!”って言うもんだから、それで行ったら、意外に”悪くないやん”ということで。結局、みんな、わかってない。
—-ちょっと整理すると、昨日は、ひどいオーバーステアだったと言うことですが?
可夢偉:それは、今日もずっと”オーバー”です。
—-それで、今日に向けて、セッティングは何か変えた?
可夢偉:変えました。
—-でも、ド・オーバー、直らず、最後に”ホッケンハイム”をやっても?
可夢偉:また、ド・オーバー。
—-予選は、そのままで?
可夢偉:ド・オーバーです、はい。
—-ということは、コーナーの立ち上がりは、全然(アクセルを)踏めない?
可夢偉:踏めないし、何をどうしたらいいのか、わからないくらい。意外に、ケーターハムが速く見えたりするんです。追いつけるかと思ったら、追いつけなかったり。相当、自分が遅いってことですよね。
—-タイヤもすぐに、オーバーヒート?
可夢偉:はい。おかしいですよ、何か。路面は、サンドペーパーみたいな状態ですね。
—-クルマが跳ねることも?
可夢偉:跳ねてます。
—-じゃあ、”踏めない予選”だったんだ?
可夢偉:踏めないどころか、壁に当てずに帰って来るというだけで。たぶん、頑張っても、(予選順位は)16〜17番だなというのがわかってたし。
—-それは、ザウバーの二台とも同じ?
可夢偉:二台とも。
—-コースで見ていて、シケインなんかスムーズに見えたけど、あれは、コワくて攻められなかったんだ?
可夢偉:(苦笑)
◆原因はたしかにわかったが、しかし、対策はない?
—-チームのリリースに、原因がわかったと書いてありましたけど?
可夢偉:わかったって? わかってないです。
—-“直せないけど、わかった”と書いてあった(笑)。
可夢偉:あ、問題点はわかった(笑)。けど、これをどうするかというのは、まったくわからない。
—-それは、こういうコース特有の問題で、鈴鹿では?
可夢偉:鈴鹿は、大丈夫。
—-それは心配してないのね。ハンガリーで、リヤのダウンフォースが抜けたのと、今回の問題というのは、共通してる部分がある?
可夢偉:はい。今回はひどくなってる。
—-ここのバンプが関係ある?
可夢偉:バンプでしょうね。バレンシアでは(問題が)なくて、ここではあるから。
—-モナコで”ない”のは、スピードが低いから?
可夢偉:それは、まだ、わかってない。バンピーだから、ここの方が、モナコよりも。
—-金曜日に、チームメイトがトライしてたリヤの新パーツは、鈴鹿用?
可夢偉:いや、ここです。でも・・・。
—-それどころじゃない、と?
可夢偉:そう。それで、やめた。
—-じゃ、鈴鹿は忙しそう?
可夢偉:いや、それはないです。鈴鹿は”クルマが違う”(別のクルマを持ってきたように、走れる)と思ってますから。
—-今年は、低速コースではダメ?
可夢偉:いや、バレンシアではグリップしてたんですよ。だから、速度じゃなくて、別の要素ですね。
—-ほかのチームは、ここでは、すごく足を柔らかくしてますよね。
可夢偉:ウチも、オニのように柔らかくしてやってるんですけどね。”オニのように”のレベルが違うのかな。
—-シケインで、メルセデスとか、火花散らして(路面と接触して)走ってるクルマが多いですよね。それでいうと、ザウバーは”硬い”ようにも見える?
可夢偉:あのねえ、硬いよりも”動きすぎてる”んですよね。上から(ダウンフォースで)押さえつけてないから、収まりが悪い。ダウンフォースがあれば、硬くても、バチッと収まるんですよ。押さえてないから、(上下にユルユル動き続ける)舟状態(笑)。
—-とくにバンピーなのは、やっぱりストレート?
可夢偉:全部です!
—-明日は、何を期待して、レースを見たらいいですか?(笑)
可夢偉:え?(笑)・・・ナイトレースで、ハミルトンがどんなレースをするのか。二番手からマルドナドが、グロジャンが何をするのか、ライコネンの追い上げ、メルセデスは・・・? あそこはたぶん、ツーストップすると思うな、スリーだと、ちょっときびしい。
—-ザウバーは?(笑)
可夢偉:ぼくは・・・、観客!(笑)そのくらい、シンガポールのレースは(見るのに)楽しいんですよ。ここ、走るのは、けっこうツラいんです。二時間ですよ、ド・オーバー(ステア)の、ようわからんクルマで(笑)。
【STINGER/Hiroaki Iemura】