笹原右京に訊く、16歳の決意（5/5）◆NEXT STEP
その5（4/5から続く）
◆セッティングが見つかった次のレースが楽しみ
STG:冬に、笹原右京の氷上ドライビング･イベントをやろう!!
右京:え〜と、クルマの免許、もっていないんですよ（笑）。
STG:あ、そうか、まだ16歳だ（笑）。この先の人生設計というか、そういうのは、ありますか?
右京:はい。まず今年のフォーミュラ･ルノー2.0ALPSで、チャンピオンを取って、次はフォーミュラ･ルノー3.5にステップアップして、そこで、もちろん目標はチャンピオンなんですけど、しっかりいい成績を残して、F1のルーキーテストに参加して、一発いいところを見せてF1と、思っています。
STG:それは1年ずつ?
右京:（笑）、そうですね。今年はフォーミュラ･ルノー2.0、来年は3.5、その次の年はF1というように。
STG:それは自分で決めたの?
右京:はい、自分で。で、井上（隆智穂）さんたちから現状を聴いて、ルノーから行くのが一番いい路だから、ということで、今の目標を立てました。
STG:今足らないものは?
右京:フォーミュラの走行量がちょっとたらないですね。他の選手は、2年目3年目だし、チームメイトも、すでに1年レース経験を積んでいるのに凄い練習量を重ねているので、走行量が足らないですね。
STG:それもスポンサーだね。
右京:ですね。
STG:フォーミュラ･ルノーALPSにデビューしたわけですが、16歳のデビュー戦の8位は、悪くないと思います。
右京:ん〜、ちょっと悔しかったですけど（笑）。
STG:もうちょっと行けた?
右京:スタンディング・スタートが初めてだったので。
STG:カートはローリングだからね。
右京:練習するプランはあったんですが、練習走行が雨だったのでプランがズレて、ほぼぶっつけ本番でスタートになってしまって、そこで、ふたつくらいポジションを落してしまったので。
STG:次のレースは?
右京:5月11-12日のイモラ･サーキットです。今年行なわれるレースの中で、一番走っているコースなので。10月のテストも、ルノーでのテストも、イモラでしたから。ドライと雨も、両方の経験があるので、イモラは好きなコースです。
STG:なるほど。
右京:開幕戦は、リヤ回りのセッティングが完璧ではなくて、自分の運転のスタイルとちょっと合わない部分があったままで妥協していったんですが、その後、ミザノのテストで、これまでにない感触でセッティングできたので。
STG:それは楽しみですね。いいレースを期待しています。
右京:はい!! ありがとうございます。
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先輩たちと。右から、黒田吉隆、マネージメントを担当する高橋毅、佐藤公哉、そして右京。
デビュー戦の、30台以上のライバルの中での8位は、経験の浅さからすれば上出来の成績だ。しかし、それを悔しいと、16歳は、ニッコリしながらごくごく自然に口にした。まだまだ怖さを知らない年齢ではある。しかし、余計な怖さは知らないうちに伸びてしまう方がいい。
笹原右京の旅のゴールは、F1。それも、参加することではなくて、チャンピオンをとることだ。右京は明確に旅の未来像を描いて、羽ばたく瞬間を待っている。
セッティングが決まったマシンで早く走りたい、という次の舞台は、5月12日に決勝レースを
迎えるイタリアのイモラ。群馬出身の16歳は、”世界”という高い山を目指して、絶壁を昇り始めた。
［STINGER］山口正己
（photo by M.Nagashima/FIX 協力:Park 24)
