ピレリ、カナダまでにタイヤの仕様を変更
パフォーマンスを重視し過ぎてしまったタイヤの仕様を変更し、ピットストップの回数を減らすタイヤを目指す。
4回のピットストップをするチームが出たスペインGP後、ピレリはカナダGPまでにタイヤの仕様を変更することになった。
14日(火)に発表されたリリースの中で、ピレリのモータースポーツ・ディレクターを務めるポール・ヘンベリーは、現行のレギュレーションにおけるタイヤ開発の難しさや、今後のタイヤの方向性などについて、次のように語った。
「われわれは、2012年の安定性と今年のタイヤのパフォーマンスを併せ持つ新しいタイヤをチームへ供給しようとしている。序盤4戦のデータを評価し、スペインでのピットストップがあまりにも多いことがハッキリしたため、われわれは更なる改良を施すことにした。スペインGPでは4ストップ作戦が勝利を収め、(ピレリがF1タイヤを担当してから)これまでにこのような結果になったのは1度だけだったが、この仕様変更により、タイヤを必要以上に機能させず、ピットストップの回数を減らすことができるだろう」。
「現在はテストが限られている状況もあり、われわれの2013年のタイヤは現行のレギュレーションに対して、パフォーマンスに重点を置きすぎたことが明らかになった。しかし、われわれは問題を特定し、迅速な解決をすることを決意した。現在のテストは、レギュレーションによって、気温が低い中、短時間でおこなうことになっており、レースと同じコンディションでのテストが制限されている。異なる場所でのテストや回数の増加を望んでいる点は、われわれの意見も各チームのものと同じだ。シミュレーションに基づき、マシンの速さを最大で1周につき3秒改善できるように2013年のタイヤを開発してきたが、十分ではなかった」。
「また、トラック上のデブリにより引き起こされたタイヤのデラミネーション(タイヤの層間はく離)を避けるための処置も進めている。トレッドがはがれたときに起こるデラミネーションにより、タイヤの安全面が損なわれることはなく、それによってタイヤ構造の中心部分にはどんな影響も受けることはない。それを指摘することは重要で、ドライバーがラップを済ませ、安全にタイヤを交換することができる。このデラミネーションは、デブリによってトレッドの温度が上昇することで発生する。ウルトラ・ハイパフォーマンスの分野でわれわれが世界のリーダーになる純粋なスピードと、F1のファンに理解しやすい世界レベルのスペクタクルのあいだに正しい妥協点探すため、われわれは各チームとともに取り組んできた。継続して非常に貴重なサポートを続けてくれるチームに感謝したい」。
Photo by Pirelli & C. S.p.A. – Pirelli Tyre S.p.A
【翻訳:STINGER】