ホンダのF1復帰の理由
待ち構えるのは、世界最高峰の闘い!!
ホンダがF1復帰を正式発表する。5月16日午後4時から、ウェルカムプラザで、伊東孝紳社長の会見が予定されている。
参戦は2015年からで、マクラーレンにエンジンを供給する、というのは、すでに既成事実のように広まっていて、単に正式発表を待つだけの状況だが、気になるのは、復帰の理由だ。
伊東孝紳社長は、第三期撤退直後に、”レギュレーションが我々の方針に合わない”というようなことを理由にしており、しばらく復帰はないというコメントをしていたが、これは、若干の勘違いを誘引する言葉だったと思う。
自動車を販売して、世の中に貢献しているメーカーであれば、そして世界を相手に戦うリーディングカンパニーであれば、モーターレーシングをより深く理解して、そしてそのことが深く理解されていない日本に、本質を伝えるコメントをしてほしいと思う。
“そもそも与えられた燃料をいかに効率よく燃やすかという意味で、エコエンジンとレーシングエンジンは同じ方向を目指しているものである”ということであり、それが”世界一の技術を争うF1GPだからこそチャレンジする”、と言ってくれたら最高である。社員を育成するため、とか、生産車に技術をフィードバックする、というのは、結果としてそうかもしれないけれど、そういう内向きのことではなく、社会貢献や日本の工業の啓蒙や改めて自分たちのポテンシャルを再認識するため、という1954年に創設者の本田宗一郎さんが告知した『檄文』のような意識にこそ期待したい。
Photo by Jiří Křenek
[STINGER]山口正己