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FIAの極度な反応の理由

タバード制限.jpg
ドイツGPまでなら、赤と黒のストラップのついたこのパスがあれば、フリー走行時はピットロードに入れた。しかし、M.ウェバーのタイヤが外れるアクシデントで、ハンガリーGPのフリー走行から、下に敷かれているような僅か25枚のタバードの着用が義務づけられた。

ドイツGPでウェバーのタイヤがボルトの締めつけ不足で外れ、テレビのカメラマンを直撃してケガを負わせた。

その後のFIAの対応が問題視された。FIAは、次のハンガリーGPのフリー走行から、ピットへの立ち入りを”25名限定”とする入場制限を発令した。これに対して、取材サイドは大騒ぎになった。これまでのフリー走行時には、映像カメラマンや写真のフォトグラファー、ジャーナリストもたちいることができたからだ。

ピットへの入場は、通常なら、赤いストラップがついたパスで区分けされ、コースサイドに出るときは、タバード(日本ではビブスと呼ばれる)の着用が義務づけられている。これまで、少なくともフリー走行では、赤と黒の写真のストラップ付きパスを付けていれば、ピットロードに入れたが、それが25名まで、と制限されたわけだ。

問題は、ドイツGPのアクシデントが、タイヤが外れたことで起きたアクシデントだったことだ。フリー走行では、タイヤ交換をレースのときのような状況でおこなうことはない。つまり、規制は厳しすぎるどころか不要じゃないか、ということで、ブーイングが起きた。

さて、FIAがなぜそうまでして規制したのか。それは、世間の目を気にした結果だ。案の定、世界中のメディアが、フリー走行なのに規制するのはおかしい、という論調のニュースを流した。ある意味FIAの思う壺。

もしFIAが、フリー走行で過度な規制をせずに、この規制をリスクの高い決勝レースだけにしたとしたら、メディアはそれほどその件を取り上げず、結果として”F1はアクシデントが起きたのに放置している”、というイメージが一般に広まる可能性があった。

FIAの狙いは、”きちんと考えてますよ”という姿勢表明だったのだ。数戦したら、フリー走行での入場制限はなくなるか、軽くなるか、なんらかのところに落ちつくことになり 、FIAの”大人の対応”がみえるはずである。

そんなことより、S.フェッテルは大丈夫なのに、どうしてタイヤが外れたのがM.ウェバーの方だったのか、そちらの方が気になる?

[STINGER]山口正己
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