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ウェバーは勝てるのか。

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—夏休みの妄想—  F1ドライバーとして最後の年、ウェバーは勝てるのか?

マーク・ウェバーは、今年1勝もできていない。そもそも、なんだかツキがない。イギリスGPで今年一杯で引退!!と発表したタイミングからして、いかにも、って感じ。あのレースで記憶に残っているのはタイヤバースト事件。引退発表は陰に隠れた。

ウェバーは、最強レッドブルに乗っているのに、同僚のセバスチャン・フェッテルが4勝しているにも関わらず、今年は一度も勝ていない。下手なの?という声も聴こえる。下手と言われても困るが、勝てていないのは確かだ。

130814stgmwsummer001 (3).jpg今年の成績を見ると、フェッテルに対して、ポイントは、172対105、優勝数も4:0だが、データを見ていると、そもそも、第2戦のマレーシアGPでトップを快走中に、フェッテルが約束を破った”マルチ21″(「指定ゼッケン通りのポジションを守れ」というチームからの指令。つまり、ウェバーが前という意味だったが、フェッテルがこれを反故にして勝った)事件以来、着実に芳しくなくなったといえそうだ。

今年の成績は、開幕戦から第10戦ハンガリーまで、6位、2位、リタイア、7位、5位、3位、4位、2位、7位、4位である。

元々M.ウェバーは、きらびやかなエピソードや、輝かしい逸話は余り聞かない。シーズンオフに骨折したこともあるし、今年のリタイアやポジションダウンが、ことごとくマシンかチームの責任が原因。特にドイツGPのタイヤ脱落事件が最たる例だった。タイヤ取れては戦はできない。

130814stgmwsummer001 (4).jpgそして、同じレッドブルなのに、という意見には若干の違和感がある。各チームにはそれぞれ2チーム存在して、つまり、フェッテル・チームとウェバー・チームは、そもそも同じマシンを使った”同僚”でありながら、まったく個別のライバルであり、同じに見えても、中身まで同じ状況のマシンが与えられているとは限らないからだ。

データを共有して、という言葉がよく使われるが、多くがウソである。フォーミュラ・ルノーALPSの笹原右京でさえ、”モンツァの最終コーナーの走り方がわからない、というチームメイトに本当のことは教えません”というくらいなのだ。

ウソツキは泥棒の始まり? いやいや、階級社会の既得権が明確なヨーロッパでは、お人好しは単なる負け犬が見えている。それぞれが虎視眈々と、相手の隙を狙っている。勝負事になればなおさら。

ということで、たぶんウェバーは”ウソがヘタ”なのかも?

ちなみに、今年、チームの二人ともが勝っているのはメルセデスだけである、という事実にも気づいた方がいいかもしれない。タイム差が拮抗し、両方が速い、というほどの差がない、ということだ。

ただし、そういうM.ウェバーだからこそ、スポーツカー耐久レースでの活躍が期待される。数人(多くは3名)で1台のマシンをシェアして走る。”自分たち”が勝つためには、ある程度「己」をいさめつつ、いいマシンを作る。時には、ライバルでもあるチームメイトに有利なセッティングを我慢して走ることも要求される。

とはいえ、来年のWEC(世界耐久選手権)に向けて、F1最後の年の”1勝”を手みやげにしたくないといえばウソだろう。ウソツキではないウェバーがどこで勝つか、この視点も後半戦の楽しみの一つ。

写真素材:Getty Images
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