【パート3/6】 F1史上最大の大変革/シーズン開幕が待ち遠しい!!
エンジンのパワーと信頼性のバランスの取り方で、チームのたち位置がどう変わる?
3月14日(金)〜16日(日)におこなわれる、2014年F1チャンピオンシップ開幕戦のオーストラリアGPスタートまであと9日。STINGERでは、開幕戦に備えて、今年の見所やおさえておきたいポイントを6回にわたって紹介していく。
第3回の今回は、エンジンのパワーと信頼性、そのバランスの落としどころによってチームのたち位置がどう変わるかを紹介する。
◆二兎追うものは一兎も得られず
新たな規則になったとき、マシンデザイナーが最初にやるしごとは、レベル設定である。分かりやすくエンジンパワーを例にとって考えてみたい。
耐久性を考慮して、無難なパワーは100馬力とする。これで耐久信頼性を確保できれば、闘いに勝ち抜ける。しかし、もしかするとライバルは110馬力かもしれず、彼らがそのレベルで耐久信頼性を確保してしまうと負け戦になる。
そこで、120馬力に設定値を変えて、フタを開けたところ、耐久信頼性に難が出て、実は100馬力のライバルに負けてしまうのだ。
欲張っては、なかなかうまくことを進められないのである。しかし、逆も言える。
手堅く100馬力を狙ったとする。シーズンが進んで開発が進んでも、100馬力は100馬力だ。しかし、110馬力を狙ったマシンが熟成されて本来のポテンテンシャルを発揮し始めると、100馬力では、追いつかなくなる。
ことはそれほど簡単な理屈ではないが、テストを終えた現在の状況からすると、110馬力狙いがメルセデスであり、120馬力狙いがルノー・エンジンを含むレッドブル、そして、コンベンショナルに100馬力狙いがウィリアムズ、さらには、90馬力辺りがケータハムということになるだろうか。
[STINGER]山口正己
Photos by
LAT Photographic(ウィリアムズ、メルセデス、ケータハム / 扉用素材)
Getty Images(レッドブル)
Jiri Krenek(オーストラリアGPスタート)
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