Sir ジャック・ブラバム、逝く

三度のワールドチャンピオンであり、ホンダを通じて日本にも縁の深い、Sirジャック・ブラバムが亡くなった。
ブラバムさんは、1959、1960、1966年のワールドチャンピオン。1966年のチャンピオンは、自ら起こしたモーター・レーシング・デベロップメントで製作した”ブラバム”と名付けられたシャシーでの獲得であり、1966年と1967年には、コンストラクターズチャンピオンにも輝いている。
ブラバムさんは、1964年にホンダがのF1参戦に深く関わり、種々のテストやアドバイスをホンダに届けたことでも知られる。ホンダが初めて用意した金色のテストマシン、RA270のステアリングを握ってF1チャレンジを陰で支え、その後、1000ccのホンダ・エンジンを搭載するF2のブラバム・ホンダで、デニス・フルムとともに11連勝という金字塔も打ち立てた。
今年の開幕戦、母国のオーストラリアGPのセレモニーに列席されたブラバムさん。オーストラリアの英雄として、尊敬される存在だった。
また、ホンダの第二期F1時代には、ホンダの依頼で、F1の情報を届ける役目もになっていた。F1は、イギリスを中心とするヨーロッパが核になるが、むしろオーストラリア出身というフェアなポジションからの情報が、ホンダにとって、有形無形のサポートとなったことは想像に難くない。
享年88歳。天寿を全うされたSirジャック・ブラバムのご冥福を心からお祈りします。
[STINGER]山口正己




