カナダGP初日トピックス—-タイム大接近!!
2014F1GP第7戦カナダGP初日の金曜日、1時間半のフリー走行が行なわれた。午後のフリー走行2開始前に、パラパラっと雨が落ちたが、コンディションは完全ドライ。
◆モナコ以上にリスキーなジル・ヴィルヌーブ・サーキット
モナコの平均速度が160km/hそこそこに対してカナダGP会場のジル・ヴィニヌーブ(モントリオール)は200km/hを越える。つまり、遥かに高速。だが、コンクリートウォールで囲まれている公道部分は、モナコと同じくマージンゼロ。スピードが高い分だけモナコよりもリスキーだ。
◆縦方向のストレスを受けるタイヤ
今回のタイヤは、モナコと同じく、柔らかい方からの二種類のスーパーソフトとソフト。モナコよりスピードが高いが、横Gが持続するようなコーナリングがなく、ブレーキングと加速の縦方向のGが高くなることから、モナコとは違うタイヤマネージメントが要求される。
◆メルセデスも早々に走行開始
通常、公道を使うコースは、セッション開始早々は、コース路面が汚れているために、下位チームが”清掃”を済ませるまで上位チームは走らないが、今年は、パワープラントを中心に大きく車両規則が変化したことから、できる限り走行を早めにしたいところ。マクラーレンもフェラーリだけでなく、メルセデスも早々に走行を始めた。
結果を見ると、メルセデスの1-2に揺るぎはないものの、タイム差はこれまでにない拮抗状態。メルセデスが早々に走行を開始したのは、他チームの”進化”を察知したためとも解釈できる。
◆小林可夢偉+ケータハム苦戦
午前中のフリー走行1を、小林可夢偉の代わりに、アレクサンダー・ロッシにステアリングが託された。小林可夢偉は午後からの担当だったが、途中、コース上にリヤウィングのパーツを落とす場面も。それもあって、マルーシアに、1.5秒の差を着けられている。ちなみにマルーシアのエース格のビアンキは、午前中にウォールにヒットして午後のセッションを走っていない。
◆フェラーリ好調!! フェッテル+レッドブルも上り坂
アロンソ+フェラーリが、フリー走行1のトップタイムを記録した。フリー走行2では、フェッテル+レッドブルが3番手、ライコネンとアロンソのフェラーリが続き、トップ7が1分16秒台に並んだ。今回のレッドブルは、序列が本来の形(?)になり、フェッテルが先行中。
◆ブレーキングでロック連発!!
カナダの路面が均一ではないことと、回生ブレーキの難しさのダブルパンチの結果か。
ライコネン+フェラーリが、またもや、ヘアピンからの加速区間でスピンした。名手が、まるで素人のようなスピンをしてしまう今年のマシン、ということ。積極的に攻め込むと、低速からの立ち上がりのトルクが急激に盛り上がってそうなる?
今年は、パワートレーンが、ターボ+回生エネルギーでトルクが増大し、コーナー立ち上がりのアクセルワークが非常に繊細になっている。すでに6戦を終了し、進化しているとはいえ、アクセルコントロールの難しさは、多くのドライバーが認めるところだ。
◆メルセデス勢上位独占
フリー走行2の上位は、フェッテル+レッドブルと2台のフェラーリ以外は全部メルセデスのパワーユニット供給チーム。長いストレートでパワーが効いている。
☆はメルセデス搭載チーム。
1. ☆ハミルトン+メルセデス
2. ☆ロズベルグ+メルセデス
3. フェッテル+レッドブル
4. ライコネン+フェラーリ
5. アロンソ+フェラーリ
6. ☆マッサ+ウィリアムズ
7. ☆ボッタス+ウィリアムズ
8. ☆マグヌッセン+マクラーレン
9. ☆バトン+マクラーレン
フリー走行2のトップ7が1分16秒台、続く16番手までが1分17秒台、19番手までが1分18秒台。一気に飛んで、小林可夢偉+ケータハムは1分20秒台は辛い。
フリー走行2で、レースセットを中心にプログラムを消化した模様のセルジオ・ペレス+フォース・インディアのロングランは、1分20秒台にそろっている。
土曜日は、10時から(日本時間は+13時間)のフリー走行に続いて、14時から予選が行なわれる。勢力図が変化するかもしれない。
Photo by CATERHAM F1 TEAM / LAT Photographic