ビアンキ救出の模様
負傷したビアンキ救出に対応するレスキー隊員。画面左に二つのタイヤが並んでいるが、左側のものは、クルマの向こう側にあるべきものだ。 写真中央やや左(エンジンの上)に置いてある赤い尖ったパーツは、ヘルメットを囲うようにコクピットに装着し、ドライバーの頭を衝撃から守るヘッドレストだ。本来の形状は”コの字”であるが、クラッシュの衝撃によるものか、真っ二つに割れてしまっている。写真に写っているヘッドレストは左側部分で、右部分は右フロントタイヤのそばに置かれている。
ステアリングが外されてノーズ・コーンの上に置かれている。コクピットは、ステアリングが外せる状況だったことを意味している。
ドクターと救急隊員によって、酸素マスクを装着され、頸椎などを護る処置を行なった上で、救急車に移動する。ビアンキの顔色は悪くなく見える。バラクラーバ(耐熱性の目だし坊)はかぶされたまま、慎重に救出された。
5日に鈴鹿サーキットで行なわれた日本GPの終盤、通称『ダンロップ・コーナー』でクラッシュしたジュール・ビアンキは、三重県立総合医療センターに搬送され、頭部の手術を受け、現在も入院中だ。
予定では、連続週で開催されるロシアのソチに向けて、各チームは移動を開始しているが、ビアンキが所属するマルーシア・F1・チームは、6日16時のリリースで、マルーシア・F1・チームと、エンジンを供給し、育成プログラムでビアンキをサポートしているスクーデリア・フェラーリの代表が、ビアンキ本人と家族をケアするために、ビアンキが入院中の病院に残ることを伝えている。
[STINGER]山口正己
photo by Ryouichi Fukaya