ケータハム以外ならどこでもいい?! — ホンダが可夢偉を「救う」時だ!その1/3
ケータハムが差し押さえが現実的な”効果”を表して、アメリカGPとブラジルGPへの欠場が決まった。それ以前がら、小林可夢偉の状況は非常に不安定なものだったが、この事態は可夢偉にとってむしろグッドニュースと受け取るべきだ。今年の残り数戦のことではなく、来年を見据えた視点で、[STINGER]は、マクラーレン・ホンダと小林可夢偉のジョイントを、”壮大な夢”として提案する。
あえて「救う」という微妙な表現を用いるが、2014年・秋、いまこそホンダは小林可夢偉を救うべきだ。
何よりこれは、ホンダにとって何も損はない”取り引き”である。そしてそれを行なえば、おそらく未来永劫、日本モータースポーツ史上の「義挙」として語り継がれる。(あの時のホンダは偉かった……)こんなチャンスは滅多にない。
「救う」とはもちろん、小林可夢偉を2015年シーズン、マクラーレン/ホンダのドライバーにすることである。ナンバーワンとかナンバーツーとか、そんなことはこの際どうでもいい。とにかく可夢偉をマクラーレン/ホンダに乗せる。
可夢偉はこの2014年、”超・ハズレくじ”を引いてしまった。彼はいま、おそろしく悲惨な状況の中でレースをしている。ケータハムのクルマは完走できるかどうかさえ不明というレベルであり、チーム自体も明日はどうなるかわからない。おそらくチームは、グランプリごとに、チームにペイをもたらすドライバーを捜している。そのあおりを受け、ドライバーとして契約していたはずの可夢偉であっても、実際にグランプリを走れるかどうかは、現場に行ってみないと明らかにならないほどだ。
10月25日になって、マシンが差し押さえられてアメリカGPとブラジルGPの2戦の欠場が決まった。しかし、これはむしろ可夢偉にとってよかったと思える。サスペンションのカーボンパーツを、カーボンを巻き付けて補修して走らせるような無神経なチームに、もう、用はない。
ところでホンダ側は、今年の可夢偉は何もリザルトを残していないと見ているかもしれない。しかし、今年の彼のチームであるケータハムは、「遅い」のではなく「ひどい」のだ。どんなレベルのドライバーでも、今年のケータハムで何かのリザルトを残すことは不可能であろう。
小林可夢偉ほどのキャリアを持つドライバーが、こんな状態に置かれているのは見るに忍びない。多くの日本のレース・ファン、そしてF1ウォッチャーは、この2014年、そう感じている。そして同時に、彼の才能を埋もれさせてはならないとも──。
ケータハム以外なら、どこであっても! ……これがファンの実感なのだが、その「どこか」がホンダ/マクラーレンであれば、さらにいいのだ。
Photo by Caterham F1 Team / LAT Photographic