FIA、ヴァーチャル・セーフティーカーの概要を発表
セーフティ・カーが出動するほどではない状況の安全性を強化。
FIA(国際自動車連盟)は、今年からレギュレーションに追加されたヴァーチャル・セーフティーカー・システム(VSC)の概要を8日(木)に発表した。
このシステムは、昨年の10月3日(日)におこなわれた日本GPで起きたジュール・ビアンキの事故の再発を防ぐ目的で導入するもので、トラック上のいずれかのセクションで、ダブルイエロー(いつでも停止できるぐらいに減速しなければいけないことを意味する)が振られ、セーフティ・カーが出動するほどではないものの、トラック上にいるドライバーやオフィシャルにとって危険な状況であると判断された場合、サーキットの特定の区間でマシンの速度を制限するための新しいシステムだ。
VSCは昨年の日本GP以降におこなわれた3つのグランプリでテストされ、今年から正式に採用される。
■トラックでのVSCの始まりと解除までの流れ
VSC中は、トラック中に配置された電光掲示板の「VSC」の文字が点灯する。VSC中にドライバーがピットに戻ることを許されるのはタイヤ交換をおこなう場合のみで、トラックを走るマシンはすべて、少なくとも1度は各セクターごとに決められた最低タイム内で走らなければ、ペナルティの対象となる。
また、VSC中はいかなる場合も、ほかのドライバーや人に対して潜在的な危険性が考えられるほど必要以上に減速したり、不規則な走行も禁止される。
VSCが解除されるときは、各チームに対してメッセージ・システムで通知され、その10〜15秒以内に前出の掲示板の”VSC”の表示が緑色に点灯、その時点でドライバーはレースを再開することができる。30秒後に、緑の”VSC”の表示は消灯する。
Photo by INFINITI Red Bull RACING / Getty Images