FIA、ホンダのエンジン開発に許可
ホンダにもトークンが与えられ、既存の3メーカーとほぼ同じ条件で開発が可能に。
FIA(国際自動車連盟)は、ホンダがエンジンを開発することに許可をだしたことを、イギリスでF1を放送するBBCが17日(土)に報じた。
エンジンの仕様が大きく変わった昨年から参戦しているメルセデス、フェラーリ、ルノーはレギュレーションに見つかった抜け穴によって、シーズン中も開発を続けられるようになったことに対し、ホンダは開幕戦のオーストラリアGPの2週間前にあたる2月28日(土)までしか開発が許されない状況になっていた。
この状況に不満があるホンダは、レギュレーションを制定するFIAとミーティングをおこない、その結果、ホンダにもシーズン中の開発が許されることになった模様だ。
ただし、2月28日(土)まで自由にエンジンの開発ができるホンダも、開幕戦以降の開発には、昨年から参戦している3メーカーと同じように”トークン”(開発に必要なポイントのようなもの)が必要になる。
BBCが掲載したFIAのレース・ディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングのメッセージによると、ホンダが得られる”トークン”の数は、開幕戦オーストラリアGP(3月15日)までに3メーカーの未使用”トークン”によって決定することになる。
「2014年から参戦する3メーカーがシーズン開幕時に8、7、5の未使用”トークン”を保持している場合、今年から参戦する新しいメーカーは”トークン”を6※与えられる」。
※3メーカーの残りの”トークン”を足してメーカー数の3で割ると(8+7+5)/3 = 6.66となり、小数点以下を切り捨てた数字の6がホンダが使用できる”トークン”の数になる。これでホンダもシーズン中、3メーカーとほぼ同じ条件での開発が可能になる。
■ホンダとその他のエンジンメーカーの開発凍結状況の違い
当初、2015年のエンジンは、今年からF1に復帰するホンダを含め、昨年からV6ターボエンジンを手がけてきたメルセデス、フェラーリ、ルノーも、開幕戦のオーストラリアGPの2週間前にあたる2月28日(土)までに設計を終わらせなければならなかった。
今年が参戦初年度になるホンダは、3つのライバルメーカーが昨年経験したように、2月28日までは自由にエンジンを開発することができるが、昨年の2月で開発が凍結されてしまったその3メーカーは、エンジンを自由に開発することは許されていない。
ただし、参戦2年目から各メーカーに割り当てられる32の”トークン”を使用すれば、開発が許されている部分に関しては2月28日まで開発することが認められていた。エンジンはそれぞれの部位に必要なトークン数が割り当てられていて、”トークン”を使用すれば、その部分の開発が許される。”トークン”を32使用した場合、エンジンの48%の開発が可能になる。
しかし、昨年から参戦していた3メーカーに対して、”トークン”を使用した開発が凍結される期限がレギュレーションに明確に書かれていないという抜け道が見つかり、FIAがそれを認めてしまったため、3メーカーは”トークン”さえ使用すれば、シーズン中もエンジンの発開が可能な状況となった。
それに対して、参戦初年度のチームには開発期限が2月28日と明確に決められていることに加え、開発に必要な”トークン”も与えられないため、現段階ではホンダだけが期日を最後にエンジンを開発できないという状況になってしまっていた。
Photo by Honda Racing