マクラーレン・ホンダの行く先・その1:一安心
テールエンダーながら、これまでもっとも長い距離を走ったジェンソン・バトンのマクラーレン・ホンダ。
開幕戦をマクラーレン・ホンダは11位で完走した。ブランクを挟んでの復帰となったホンダにとって、上出来とはいえないが、まずは一安心の結果である。
テストでほとんどマトモに走らない状況ながら、新井康久ホンダF1レーシング代表は、強気の姿勢を崩さなかったが、スタートを前にケビン・マグヌッセンがエンジン部分から白煙を上げたときの心境を思うと、新井康久代表に限らず、バトンがチェッカードフラッグを受けたときのホンダ関係者は、まさに一安心だったに違いない。
レース終盤、ジェンソン・バトンは、1分33秒台の自己ベストを連発した。これは、終盤のペースとしては悪くない。いや、悪くないといっても、終盤は、トップグループでバトルをしていれば、燃費も厳しくなっているだろうし、ポジションを守るために保身の姿勢になるはずなので、”競争”に絡めなかったマクラーレン・ホンダと他チームとの比較はあまり意味はない。
しかし、マクラーレン・ホンダにとってもバトンにとっても、走り始めてからの最長距離と、今年の組み合わせの自己最速だったことを考えると、やはりここでも一安心という言葉が当てはまる。
しかし、新井代表がレース後の会見でコメントしたように、仮に10位入賞したとしても、「戦えるレベルにいかなければ意味がない」というのが本筋だ。
さて、マクラーレン・ホンダは、一安心しながら、まだまだ戦うレベルにないが、それはなぜか、そして、いつ戦えるレベルになるのだろうか?
その2につづく
photo by HONDA RACING
[STINGER]山口正己