中国GPレース後トップ3会見– メルセデスに険悪なムード?!
中国GPは、1位ハミルトン、2位ロズベルグ、3位にフェッテルが入った。
マレーシアでタイヤに苦労したメルセデスが、息を吹き返した。
しかし、ルイス・ハミルトンのペースコントロールは、タイヤに優しいフェラーリを意識したものだったのか、それとも、セバスチャン・フェッテルにチャンスを与え、ニコ・ロズベルグとのタイトル争いを有利にするものだった?
レースを前にメルセデスのニキ・ラウダ会長は、そうした状況を心配するように、ニコが、”sort himself out”(冷静さを取り戻すことが必要)、と言っている。そうしないと、ニコはナンバー2扱いになってしまう。
ニキのコメントは、ふたりのナンバーワンでの戦いが理想、という思いの親心から来ている?
会見の状況は、去年もタイトな争いになった今週末のバーレーンGPが、早くも今シーズンのメルセデス・デュオの勝負どころかもしれないと思わせた。
来週も目が離せなくなった!
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<PRESS CONFERENCE>
—-ルイス、おめでとう。フェラーリからのチャレンジに関しては期待通りのレースでしたか? また、ラジオでチームからペースを上げてくれと言われたことについては? ニコがセバスチャンに追いつかれていたのは知っていましたか?
ルイス・ハミルトン(以下、ルイス):僕はニコのレースをコントロールすることはできないよ。僕は僕のレースをしているんだ。
素晴らしいレースだったね。とてもハッピーだよ。本当にレースは接近していた。フェラーリのロングラン・ペースがとても良く、タイヤをケアできることを知っていたからね。今日の本当のゴールはタイヤをマネージすることが僕のゴールだった。レース全体を通じてニコに迫られることはなかった。僕はレースを楽しみながらマネージしたよ。
前のレースに比べて、すべてのセッションがとてもスムーズな週末だった。少なくとも僕の方はね。(前のレースと比べて)レースでのクルマのバランスは大きな違いだったね。本当にハッピーさ、素晴らしかったよ。
—-ニコ、2位でスタートして2位でフィニッシュしました。少し不要なプレッシャーを感じていたようですね。
ニコ・ロズベルグ(以下、ニコ):そんなことないよ。今、ルイスから興味深い話を聞けたね。彼は自分のペースでトップを走っていたんだ。必然的に僕のレースは妥協を強いられた。最初のスティント、必要以上にスローに走ったことで、セバスチャン(・フェッテル)が迫ってきたし、早めのピットストップで追い越すチャンスを与えてしまった。僕は彼を抑え込まなければならなかったよ。
レースのほとんどを彼を抑えることに費やさなければならなかった。そして、レース終盤には僕のタイヤは終わってしまった。僕のスティントはとても長くなってしまったからね。今日はもちろんアンハッピーさ。他に言うことはないね。
—-ルイス、言いたいことは?
ルイス:ないよ。僕の仕事はニコのレースをケアすることじゃない。僕の仕事はクルマをマネージして、クルマをよい状態でできるだけ早くガレージに戻すことだよ。そして、それをやったんだ。意図的にスローにしたわけじゃない。僕は僕自身に集中していたよ。
もし、ニコがそれを避けたかったらそうすればよかったんだ。でも、彼はできなかったけどね。
—-セバスチャン、今日はいろいろなことにトライしましたね。あなたのできたのはアンダーカットでした。今日のメルセデスはあなたにとって少しばかり強かったですね。そして、最後はキミ(・ライコネン)に追いつかれました。レース終盤、キミに追いつかれることを心配していましたか?
セバスチャン・フェッテル(以下、セバスチャン):そんなことないよ。僕はコントロールしていたよ。あきらかに、レースし続けていたからね。(キミは)近づいてきたけど、最後はまだギャップがあったからね。
キミも僕もニコもルイスも同じだったと思う。僕はとてもアクレッシブにトライしたよ。
最後は自然とタイヤに苦労したよ。キミは少し長くステイアウトできたから、最後のスティントは少しばかり速かったね。
今日はできることは全部やったよ。特に最初のピットストップはとても接近していたよね。僕はこんなに接近できると期待していなかったから、アウトラップは少しハードにプッシュした。常にタイヤをケアしようとトライしたけれど、全体的によいレースだったと思うよ。
特にレース序盤は本当にメルセデスに再びプレッシャーを与えることができたね。最後はメルセデスはとても速くて離されちゃったよ。ニコは本当に速かった。
全体的にここではメルセデスに近づけたし、他のチームの前でフィニッシュできたのは、僕たちにとってよかった。僕たちはこれをキープして、もっと近づくことができたら、メルセデスの2人に本当にチャレンジできるから、楽しみにしてるよ。
<QUESTIONS FROM THE FLOOR>
—-ルイス、この週末、正攻法でフェラーリを打ち負かしましたね。フェラーリがメル
セデスを打ち負かすには何か起きる必要がありますか? セバスチャン、彼らを倒すのに違うやり方をトライしなければなりませんか?
セデスを打ち負かすには何か起きる必要がありますか? セバスチャン、彼らを倒すのに違うやり方をトライしなければなりませんか?
ルイス:そうだね。僕は勝ったね。
セバスチャン:僕たちはできる限りのことをトライしてる。1ストップか3ストップかってことじゃなくて、どっちも遅いんだ。みんなにとって、2ストップが本当に一番わかりやすかった。僕たちができる限りアグレッシブにいったよ。残念ながら、答えはまだNoだよね。
でも、僕たちは4週間前に比べてとても近づいたよ。僕はすごくハッピーさ。
—-ルイス、私たちはテレビからのいくつかのラジオ交信を聞けるだけです。チームがあなたにもう少しペースを上げるように伝えていたことを聞きました。スピードアップするために、さらにチームと会話はあったのですか?
ルイス:僕はタイヤの制約の中で、できるだけハードにドライブしてた。チームはラジオで僕にペースを上げるように言ってきたけど、僕はタイヤをマネージしようとトライしてたよ。
基本、100ユーロもっていたら、スティントでそれを賢く使わなければならないよね。僕は自分のスティントをできるだけ長くキープしようとしていたんだよ。
—-このサーキットは他のより、前のクルマを追うとタイヤを痛めてしまうのでしょうか?
セバスチャン:僕たちは常に高速コーナーで接近するのに苦しんでるよ。特に長いバックストレートにつながるコーナーでは最初はとてもゆっくり入るけど、どんどん速くなる。一般的に接近している時はとてもトリッキーなんだ。もし、同じくらい速い相手、少しだけ速い相手、少し遅い相手を抜こうとするなら、大きなアドバンテージを持っていないと本当に近づけないんだ。ダウンフォースを失って、タイヤがスライドして、オーバーヒートするから、近づくにはとても苦労するんだよ。本当にトリッキーだよね。他のサーキットと違いはないと思っているよ。
【翻訳:Masataka Hoshi】
Photos by
MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team (ロズベルグ、ハミルトン、スタートシーン)
Ferrari S.p.A / FERRARI MEDIA(フェッテル、表彰台)