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スペインGPでロズベルグ復活?! / ホットライン 2015 round5 1/2

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すでに2015年のチャンピオンはハミルトン+メルセデスに決まったようなもんだ、と分かったようなことを言っていた二人は、今回のロズベルグの踏ん張りに、頭を下げなければならないかもしれない。どうやら、メルセデスの二人の確執は、これから深刻化してくれそう?!

と勝手な妄想も背負いながら、F1GPはいよいよ本場ヨーロッパ・ラウンドに突入した。

クルマ好きのエディター・羽端恭一さんとSTINGER編集長が振り返り、今後の展開をズバリ診断する。

◆いかにもカタルーニャらしいレースだった?

羽端恭一(以下、羽端):うーん、何か消化不良というか(笑)。あまりハイライト・シーンがないようなレースでしたね。
STINGER編集長 山口正己(以下STG):たしかに(笑)。でも、逆らうわけじゃないですけど、これがまぁ、”普通”のモーター・レーシング、ということで。

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羽端:まあ、たしかにね。そもそも、一番速いやつが一番前からスタートするというのが、レースのルールなので。
STG:スタートだけが面白くて、あとは、予定通りの展開というか。高度になればなるほどその傾向が強くなる、というのが私の説でして(笑)。

羽端:そうですね、おっしゃる通りです。後ろから抜いてくドライバーは、予選とかどっかでミスって後ろにいたというやつなので(笑)。
STG:元々が弱肉強食の闘いなので、それはある種しょうがない(笑)。

羽端:でも、そうした退屈なレースでも、眠いのを我慢して見ていると、10年に一度くらい、”起きててよかったぁ!”という展開が待っているというのは、編集長の持論ですよね。
STG:10年は大袈裟ですけど(笑)、まぁ、そういうことです。いつも面白い、ということになると、それはある意味レベルの低さの証明だったりしますから、モーター・レーシングの場合。

羽端:スタート後の順位があまり変わらなかったのは、このコースのせいでもあるだろうし。
STG:スタートでハミルトン+メルセデスがリヤ・タイヤをスリップさせないで、つまり、フェッテル+フェラーリ に先を越されなかったら違う展開になったかもです。しかし、セバスチャン、もうちょっとやってくれるかと思いましたけどね。

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羽端:そうなんですよ。盛り上がりに欠けた原因のひとつは、フェラーリがあまり速くなかったこと。競ってはいたけど、それはメルセデスとじゃなくて、相手はウイリアムズだったし(笑)。
STG:フェラーリが速くなかったのではなくて、決勝は予選ほど速くないと勝手に思っていたメルセデスが、実はレースでも磐石だった、ってことですかね。

羽端:・・・・そうか、そういうことなんだ。それはきっと、メルセデスの進化ですね。そして、盛り上がりに欠けた原因・その二は、マクラーレンが日曜日には冴えなかったこと。
STG:でも、Q2を2台とも通った、ということで、今回の週末はよしとするべきじゃないでしょうか。そうそう簡単にはいかないのがF1グランプリってことで(^^ゞ 。

◆ハミルトンvsロズベルグの心理戦!

羽端:さて、ハナシはどっから行きます? やっぱり首位に敬意を表して、メルセデスからにしますか? 
STG:チームの二人のやり合い、というか、二人の心理を勝手に想像すると、なかなか面白い(笑)。

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羽端:まず、なんか今週はルイス(・ハミルトン)がクルマがキマらなかったみたいで、ニコ(・ロズベルク)とはライバル関係になれなかった?
STG:ですね。すべての流れがルイスではなかった。レースのピット作業まで、ルイスだけもたついた。こいういモンなんでしょうね。うまくいかないときって。

羽端:この同チーム二車の間での勝負が、闘う前についていたような感はありましたよね。レースで、 ルイスはニコを追えなかったし。
STG:今回は、一から十まで、ロズベルグ→ハミルトンのオーダーでしたね。

羽端:ルイスにとっては、当人もそんなこと言ってたけど、今週の彼のコンディションの中では最上の結果だったのでは? そういう意味では感心しましたね。不調でもちゃんと2位になる、2位で終えるようにした、と。
STG:う〜ん、そうはいいつつ心中おだやかではない?(笑)。

羽端:ムフフフ(笑)。ただルイスは、ニコに遅れたと見るや、すかさずタイヤ戦略を変えたりね。当初はニコと同じに、ツーストップだったと思うんですよ。でも、それをスリーストップにして。これによって、セブ(フェッテル+フェラーリ)の追撃をかわしたんだと思うし。
STG:本来のメルセデスなら、追撃をかわすんじゃなくて、”寄せつけない”じゃなくちゃ。ロズベルグがそうでした。

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羽端:そうやって勝ったニコはエラいけど、ただ、完調のルイスに真っ向勝負して勝ったわけではないと思うので、百点はあげません(笑)。スタート直後でルイスはミスってるし。いわば、恵まれた勝利で。もちろん、相手のミスにつけ込むのも勝負のうちで、単にラッキーだったと言って
るわけじゃありませんが。
STG:確かに。しかし、今回のロズベルグを見ていると、実はこれまでの4戦で、もはやオシマイ、と勝手に決めていたのだけれど、ちょっと早計すぎたと、ロズベルグに頭を下げたい感じ(笑)。

羽端 お、そういう見方ですね。
STG:ハミルトンとの得点差も、まだ20ポイントしかないことにも気づいたし。

◆フェラーリもスペインで”攻めた”が・・・・

羽端:そうか。ニコはニコで、しっかりずっと、いい仕事をしていたんだ。・・・・で、メルセデス二台の間での勝負は早めについちゃって。そして、それに絡むはずのフェラーリが、今週はイマイチで・・・・。
STG:メルセデスは、さらにパワーユニットにアドバンテージをもったような感じですね。走行時間が短い予選ではブーストを上げられるので速い、と思っていたら、決勝でも速かった。なので、メルセデスのPUを積んでいるウィリアムズもフェラーリを追い回したのかも。

羽端:なるほど、メルセデス・パワーユニットの進化! それでキミ(・ライコネン)ですけど、ここでのアップデート・バージョンを彼は嫌って、旧型というか、従来仕様のままで走ったとか?
STG:それは見方によると思います。常に新しいウェポンを投入する。片方ずつ、というのは、準備が間に合わない、という見方の他に、”攻め込んで新しい物を投入している”とも取れるし。

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羽端:間に合わなかったという見方は、ちょっと上っ面に過ぎる? うーん、そうか。深いですね、やっぱり、この世界は! もちろん私も、フェラーリ何やってんだとか、そんな風に思っていたわけではないんですが。ただ、フェラーリの新バージョンは、タイヤにキツかったみたいで。きっとキミは、そういうのもイヤだったんでしょうね。
STG:ともあれ、今年のF1は、”うごめき”が見える、という点で面白い。メルセデス以外は、ってところがイマイチだけど(笑)。

羽端:前回、「二強時代へ」とか勝手に騒ぎましたけど(笑)なかなか、メルセデスの牙城は崩しがたいですね。
STG:う〜ん。

◆メルセデス・パワーユニットの秘密!

STG:ですね。メルセデスは、一説によると、タービンとコンプレッサーの結合に一工夫しているような。

羽端:お、それは?
STG:無駄なエネルギー(フリクション)の切り離している、というようなことらしいです。

羽端:フム?
STG:通常のターボは、加速時に一瞬過給の遅れが出る。そこで、加速と同時にモーターでコンプレッサーを回して過給の遅れをカバーしようとしているらしい。

羽端:ええ、多くの場合はね?
STG:その時に、タービンも一緒に回しちゃうと負担になるので、そこを切り離すクラッチが着いているという説がある。過給が始まって、排気ガス量も増えて、タービンがモーターよりも大きなエネルギーを受け初めた時からタービン/モーター/コンプレッサーが同じ回転になるようにする、という感じでしょうか。機能的には自転車のフリーハブと似たような物ということらしいです。

羽端:おお〜! 特性的にいうと、スーパーチャージャーとターボを両方使ってるみたいな? あるいは、低速からトルクが出るモーターの特性を見事に使っている?
STG:そういうことらしいです。そういう細部の違いがメルセデスの強さの秘訣のようですね。でも、正体は、メルセデスしか分かっていない、と。


Photos by
PIRELLI / STUDIO COLOMBO(トップ画像、スタートシーン)
MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team(メルセデス2台のバトル、表彰台のハミルトン)
Ferrari S.p.A / FERRARI MEDIA(フェラーリ)
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1位マックス・フェルスタッペン491ポイント"
2位セルジオ・ペレス240ポイント
3位ルイス・ハミルトン220ポイント
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1位レッドブル・レーシング860ポイント
2位メルセデス409ポイント
3位フェラーリ406ポイント

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