シンガポールGPの結果で鈴鹿はどうなる?–日本GPの見所①
シンガポールGPは波瀾の週末を終えた。予選で5位6位に沈んだが、レースでスピードを取り戻すと思われたメルセデスの2台は、予想(?)に反して、低調なままだった。
特に、ポイントを圧倒的にリードして二度目の王者に邁進しているルイス・ハミルトンは、パワーユニットのトラブルでリタイアの運命が待っていた。
優勝したセバスチャン・フェッテルが25ポイントを加えて合計得点を203にし、ルイス・ハミルトンとの差が49ポイントになった。極端な話、フェッテルが2勝してハミルトンが無得点なら逆転してしまう差である。残り6戦でそうそう極端な展開が繰り返されることはないだろうが、実は、周囲から見ているほど、メルセデスが圧倒的でもないことになる。
とはいえ、シンガポールGPの会場であるマリナ・ベイ・ストリートコースは、モナコ、ハンガリーと並んで、パワーユニットへの依存度が低いサーキットであり、ここから後の6戦は、それなりにパワーユニットのポテンシャルが速さに占める割合の大きいコースである。特に鈴鹿は、スパ-フランコルシャンやモンツァに続いて、パワーユニットの優劣が成績を左右する。
要するに、鈴鹿では、メルセデスが”復活”する可能性が高いことになるのだが、レースは、そうした表面的なデータだけでは進まないところが面白い。今回の勝利でフェラーリ陣営が胸を張って鈴鹿入りすることは明らかだ。
フェッテルはレース後、「今日はパラダイスにいる気分」とコメントした。キミ・ライコネンが3位に入っていることもあり、フェラーリのチーム内のモチベーションは最高潮に達している。
これに対して、メルセデス陣営は、肩に力が入っていないとは言えない状況だ。完走したものの4番手に甘んじたニコ・ロズベルグは、「がっかりな週末だったけど、条件が合わなかっただけだってことを願う」と言い、「どうしてレッドブルとフェラーリはあんなに速かったのかってことを理解できていないのは問題。何がいけなかったのか把握するために、鈴鹿に向けてやらないといけないことがたくさんある」とコメントしている。
ハミルトンは、「原因を把握するためにハードワークは必要だけど、まだ先は長い。今日はいくつかポイントを取りこぼしたけど、僕は速いし調子はいいから、鈴鹿では反撃に出られると確信してる」と強気だが、この状況がどう影響するのか、鈴鹿のレースは間違いなく注目すべき戦いになることが決まった。
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Photos by
MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team(鈴鹿のコース)
Ferrari S.p.A / FERRARI MEDIA(フェッテル)