波乱多きレースでロズベルグ+メルセデス圧勝–2016F1GP第3戦中国GP決勝
勝ったのはロズベルグ+メルセデスだったが、最も大きな拍手を浴びたのはフェッテル+フェラーリ だった。
レースの流れのすべてがロズベルグ+メルセデスにプラスするレースだった。
深く曲がり込んだ1コーナーでの先陣争いが注目されたスタートで、ダッシュを決めてトップを奪ったのは、2番手グリッドからスタートしたリカルド+レッドブル。ここで、スタンドが大きくどよめいたが、もっと大きな驚きの声が直後に上がった。最も注目されていた二人にアクシデントが起きたからだった。
2列目からスタートし、打倒メルセデスの急先鋒だったフェッテル+フェラーリと、予選でパワーユニットにトラブルが発生して最後尾からスタートしたハミルトン+メルセデスがそれぞれ別の接触事故に見舞われた。
フェッテル+フェラーリは、右に曲がる1コーナーでイン側にいたクビアト+レッドブルと接触しそうになり、アウト側からインに飛び込んできたチームメイトのライコネン+フェラーリに挟まれるような形で接触、態勢を立て直してコースに戻ったところで、ボッタス+ウィリアムズにも接触。8番手まで順位を落した。
ハミルトン+メルセデスも、その混乱の中で他車と接触、これで二人のレースは終わったかに見えた。
しかし、その後、”安泰”だったのはロズベルグ+メルセデスだけだった。3周目に入ったところで、トップのリカルド+レッドブルの左後輪がパンクして、路面に接触したパーツが散乱していたこともあり、セーフティ・カーが導入されたのを始め、目まぐるしく順位が変動するレースだった。
セーフティ・カー導入で、タイヤ戦略がリセットされた形となったが、ロズベルグ+メルセデスは終始安定したハイペースで後続を引き離し、昨年の第17戦メキシコGPから6連勝。チャンピオンシップを大きくリードした。
しかし、ロズベルグはレース後の会見で、「今年は21戦の長いシーズンで、まだ3戦が終わったばかりだよ」と、冷静なコメントながら、余裕を感じさせた。
2位には、スタートの混乱でピットインを強いられ、一時は15番手に落ちたフェッテル+フェラーリ が、驚異的な追い上げを見せて食い込み、フェラーリ・ファンの多い中国のスタンドを喜ばせた。
予選6番手からスタートしたクビアト+レッドブルが3位に食い込み、昨年のハンガリーGP以来、F1二度目の表彰台を仕留めた。
マクラーレン・ホンダの2台は、フェルナンド・アロンソが12番手、ジェンソン・バトンが13番手。長谷川祐介F1プロジェクト総責任は、「実力通りの残念な結果」とレースを振り返った。
次の第4戦は、2週間後に、ロシアのソチで行なわれる。
◆2016F1GP第3戦中国GP結果(結果詳細はこちら)
1. ロズベルグ+メルセデス
2. フェッテル+フェラーリ
3. クビアト+レッドブル
4. リカルド+レッドブル
5. ライコネン+フェラーリ
6. マッサ+ウィリアムズ
7. ハミルトン+メルセデス
8. フェルスタッペン+トロロッソ
9. サインツ+トロロッソ
10. ボッタス+ウィリアムズ
11. ペレス+フォース・インディア
12. アロンソ+マクラーレン・ホンダ
13. バトン+マクラーレン・ホンダ
※以下、周回遅れ
14. グティエレス+ハース
15. フルケンベルグ+フォース・インディア
16. エリクソン+ザウバー
17. マグヌッセン+ルノー
18. ウェーレイン+マノー
19. グロジャン+ハース
20. ナッセ+ザウバー
21. ハリアント+マノー
22. パーマー+ルノー
[STINGER]山口正己
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