夏休み前のF1通信簿:その1–メルセデスの二人
21戦で行なわれる2016年のF1GPは、7月31日のドイツGPで12戦を消化して、約1カ月の夏休みに入った。
テクノロジーの進化を最後に担うのが言うまでもなくドライバーだ。
与えられた道具をどう使うかは、ドライバーの力量次第。同じチームなら、基本として与えられる道具が同じだから、その視点で眺めると、一人一人の能力が見えてくる。
ということで、［STINGER］が独自の視点でF1ドライバｰの通信簿!!その1。
＜成績＞
数字は順位。×は入賞せず。最後に、12戦で獲得したシリーズポイントと順位をみながら12戦の闘いの軌跡を辿ってみた。
＜素行＞
12戦の闘い振りからどんなドライバーかを診断する。
では早速。
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◆メルセデスの二人
1）ルイス･ハミルトン
＜総合評価＞
速さ：10
巧さ：10
安定性：8
パッション：10
若さ：8
トータル：46
＜成績＞（×は入賞せず）
2位－3位－7位－2位－×－優勝－優勝－5位－優勝－優勝－優勝－優勝／217点（1位）
4連勝と2連勝の合計6勝。ポールポジョンは、チームメイトのニコ･ロズベルグと同じ12戦中6回。優勝の回を含め、9回の表彰台の安定した速さを見せる。リタイアが1回しかない。
＜素行＞
押しも押されぬ2年連続ワールドチャンピオン。実力では、フェルナンド･アロンソ、セバスチャン･フェッテルと並ぶ逸材だ。マシンのトラブルがなければロズベルグには絶対に負けない、という自信が見えるレース運びで、ロズベルグ･ファンの神経を逆撫でする。しかし、本当に速い。
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2）ニコ･ロズベルグ
＜総合評価＞
速さ：8
巧さ：7
安定性：8
パッション：8
若さ：8
トータル：39
＜成績＞（×は入賞せず）
優勝－優勝－優勝－優勝－×－8位－5位－優勝－4位－3位－2位－4位／198点（2位）
序盤の4連勝は昨年の第17戦メキシコGPから７連勝の大記録。しかし、中盤以降にやや荒さが目立ち、チｰムメイトのハミルトンに差をつけられ、夏休みを前にした第12戦ドイツGPでポイントリーダーの座をハミルトンに明け渡した。
＜素行＞
オーストリアGPではハミルトン、そしてドイツGPではフェルスタッペンの進路をあからさまに阻害して相手の行き場をなくすライン取り。ドイツGPでは、ピットに5秒停止のペナルティを取られた。しかし、本人は、「どこが悪いの?」と居直りの姿勢。ハンガリーの予選でのダブルイエローの”減速”にペナルティが与えられず、本人も「充分」と開き直ったが、大方のライバルドライバーの観方は「不十分」。
育ちがいいだけに、我慢の限界を超えたことろに弱さがある。
育ちがいいだけに、我慢の限界を超えたことろに弱さがある。
“技”ではハミルトンに後れをとっているが、今年はタイトル欲しさに、見境のない行動に出そう？よくも悪くも、スペインGPでハミルトンと絡んでそろってリタイアの”再現接触”が起きそうで、ドキドキさせてくれている。
［STINGER］山口正己
Photos by MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team
