ホットライン 2016 round13 /ベルギーGP–いよいよホンダがやってきた(2/2)
1カ月の夏休みを挟んだF1GPは、後半戦への期待を高める内容だった。トップ3の差が縮まり、そしてマクラーレン・ホンダも大きく進化。早くも10月の鈴鹿を待ち遠しくしてくれた。
マクラーレン・ホンダのさらなる進化が今後を楽しみにしたスパ-フランコルシャンの1戦を、クルマ好きのエディター・羽端恭一さんとSTINGER編集長が振り返る。
羽端恭一(以下、羽端):さて、お待ちかね(笑)。マクラーレン・ホンダ、良くなりましたねー!STINGER編集長(以下、STG):今回の進化は素晴しいものがありましたね!!
羽端:あれは夏休み中ですか、サクラで、HONDA RACINGのF1プロジェクト総責任である長谷川さんにお会いになったかと思いますが?
STG:8月4日です。[STINGER]でも要点をお伝えしていますが、発売中の『カートップ』誌に全録が掲載されています(笑)。その時のコメント通りだったので、長谷川祐介ファンになりましたよ!!
羽端:表情なんか、どうでした? 実は秘かに自信に溢れてるというか、それとも、F1の”山の高さ”に戸惑ってる部分が、まだあったり・・・・というか?
STG:山の高さを認識した上で、地に足を着けて自信を持っている、という感じ。
◆長谷川「難しいけど、このままじゃホンダじゃない」
羽端:やっぱり。
STG:一番嬉しかったコメントは、「難しいけど、このままじゃホンダじゃない」という一言。
羽端:おー!
STG:それから、スパは高速なので苦しいはず、という状況を認識しつつ「だからって全然ダメとは思っていませんけど」というような言葉もあったんですけど、今回の結果をみて、長谷川さんは、これを想定できていたと思いました。その分析力も、ホンダが持てるようになった、ということだと思います。今回初めて伺ったのですが、HONDA RACINGのレース全体の開発を行なうさくらの施設も威風堂々でしたし。
羽端:実際、今回のスパでも、マクラーレン・ホンダの新生面というか、パフォーマンスは十分に発揮されましたから。
STG:やっとここまで来た、という感じでしょうかね。
羽端:アロンソも、着々と順位を上げたし。・・・・うん、やっぱり、スパはいい!(笑)
STG:一緒に最後列からスタートしたハミルトン+メルセデスに、あっと言う間に抜かれると思ったけれど、かなり長い間、前にしましたからね。
羽端:まあ今回は、グリッド降格とかアクシデントとか、いろいろありましたから、真価がわかるというか本領発揮は、次のモンツァですかね?
STG:モンツァは、21戦中で最もスピードが高くてパワーの差が出るコースなので、簡単じゃないと思いますけど、少なくとも、後半戦が楽しみになりました。
羽端:そういうところで(ホンダの)パワーユニットがどうなんだ?という、逆に、そういう楽しみがあります。
STG:長谷川さんは、”チーム”という表現を盛んに使っていました。”大切なのは、総合力”という言う意味ですが、マクラーレンのシャシーが悪いとは一言も言わなかった。それより、「遅い部分をパワーユニットでカバーするつもり」とまで言ってます。
羽端:なるほどっ!
STG:そこまでいって初めて、シャシーに注文を着けられる、ということで。もっとも、今回の状況をみると、マクラーレンのシャシーもそんなに悪くない。もちろん、まだまだ足らないですけど、長谷川さんのコメントを聞いていると、”その分野はマクラーレンがきっちり認識して進めていれている”というような信頼関係が見えましたね。
羽端:ただ、今年は、マクラーレン・ホンダは表彰台には届かないと思うんで。そういう世界だと思うし、F1は。
STG:そういう期待はいつごろ?と訊いたら、長谷川さんは即座に「来年でしょうね」と言ってました。
羽端:去年と今年、そういう「二年間」があって、次のステップに上がれる。日本の多くのファンも、そのへんはわかっているのでは?
STG:欲張りなので、直ぐに表彰台に来てくれなくちゃと思っているかも(笑)。
羽端:実は、私もそうですけどね!(笑)
STG:あはは(笑)。
羽端:それで、来年のドライバーはアロンソだけが確定で、もう一名については未定というか、ドライバーもチームも相互に検討中というか?
STG:来年のことを言うと鬼が笑うらしいです(笑)。
羽端:そういうことも含めて、後半戦は楽しみです。
STG:特に、苦手と思っていた鈴鹿も”それなりの期待”ができそうなムードになってきましたね!!
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Photos by McLaren Honda/HONDA RACING/LAT Photographic