イタリアGP決勝トップ3会見–QUESTIONS FROM THE FLOOR
「少しの緊張がこの週末僕らを持ち上げてくれる」と語るフェッテル。
ヨーロッパ・ラウンドも最終戦。とはいえあと7戦を残して、タイトル争いとメルセデスの二人が2ポイント差と拮抗した戦いで終盤戦を迎えることになった。東アジアで続く3戦、シンガポール、マレーシア、そして鈴鹿はどう展開するのか見ものだ。
優勝:ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)
2位:ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)
3位:セバスチャン・フェッテル(フェラーリ)
—-ニコ、イタリアの地で初めて勝利したフィンランド人になりました。おめでとうございます。スバでの勝利の後、伝説の場所であるモンツァでの初勝利。あなたのキャリアにおいて、どんな気分ですか?
ニコ・ロズベルグ(以下、ロズベルグ):素晴らしいね!
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル):フィンランド人なんだから、フィンランド語で答えないの?
ロズベルグ:ホント、今日はスペシャルだよ。僕は、多くの点でイタリアの文化を本当に身近に感じてるよ。僕の親友の多くはイタリア人だし、僕はイタリア語も話すからイタリアと数多くの接点を持ってる。そして、ここでも多くのサポートを得たよ。素晴らしい光景だったね。歴史的なトラック、勝つには特別な場所だよ!
イモラ、モンツァでフィンランド人は誰も勝ったことないの? すごいね!
—-ルイス、スタートでクルマに何が起きたか正確にはわからないと言っていましたが、そこで起きたことと、他のみんなのクルマを見てどう感じたか聞かせて下さい。
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン):本当によく覚えていなんだ。他のクルマが束になって来たことは覚えてるよ。でも、言ったとおり、すべてのスタート手順をいつもどおり正確にやったんだけど、かなりホイールスピンしちゃって。ホッケンハイムでのニコのスタートに少し似てるかもしれないね。
—-セバスチャン、昨日の予選では、去年に比べてメルセデスと大きな差がありました。今日のレースでは少し差が縮まったのか、終盤、ソフトタイヤでメルセデスとの差を詰めました。今日、速かった理由は何でしょうか? 特に次の2つレースのために勇気づけられましたか?
フェッテル:そうだね。終盤、僕たちが持ってたフレッシュタイヤは明らかに異なるコンパウンドだったから、僕らは違う戦略だった。明らかに、僕らの方が速く、追いつけることを期待してたよ。
でも、彼らに厳しいプレッシャーをかけるには十分でなかったかもしれないね。これまでを考えたら、僕らはベストなレースを引き出せたと思う。この週末、僕らはとても良い仕事をしたと思う。みんなすごく集中してたよ。
モンツァに来ていつも聞くことは、過度な重圧やプレッシャーがかかるということだよね。僕が思うのは、チームのみんなにとってはその逆だよ。みんな、木曜、金曜は家族をトラックに連れてくることができる。フェラーリはとても役に立つ、オープンなチャンスをメカニック達とエンジニア達に与えてくれるんだ。たくさんの家族がここに見に来て、彼らをサポートしてくれる。そして、同じく、トラックの全てのファンが僕らをサポートしてくれる。その点では、僕らは大きな家族をトラックに持ってるのかもしれないね。
そして僕らは家族の前でうまくやりたい。もちろん、少しは緊張もあるけど、それがこの週末僕らを持ち上げてくれるんだ。フェラーリの大部分のボードメンバー、そしてプレジデントが現れて、サポートしてくれることは素晴らしいよ。みんなが思ったり、(記事に)書いてることとはまったく逆なんだ。本当にプレッシャーはない。
僕らがメルセデスに対抗するのはこれまでも、これからもタフなことだって知ってるし、僕たちは彼らを打ち負かせていない。でも、僕らはいい仕事をしてるし、ベストを引き出して素晴らしいレースをしてる。3位と4位でフィニッシュしたことは、僕らができる最善の結果だよ。ファンにとっては、トップでなければなんら価値の無いことかもしれない。願わくば、次の数年のうちにファンにこれを与えてあげたいよ。
—-ニコ、2つ質問があります。まず、新しいピレリのアンバサダーになったのですか? そして、あなたとルイスはスーパーソフト・タイヤを使わなかった理由はなんですか?
ロズベルグ:あ、メルセデスのキャップと間違えてたよ。ゴメン、謝るよ。気づいていなかったんだ。それについては、あとで聞いてみるよ。※ロズベルグは会見で違う帽子を被ってた。
それから、なぜスパーソフトを使わなかったかって? 僕たちにとってベストなレースは、ソフトからミディアムだったからだよ。これがレースを一番早くフィニッシュできるやり方だったのさ。見ての通り、いいペースだったでしょ?
—-ルイス、スタート時に追い越された時、あなたはとても速いクルマを持ってるわけですが、スタートで
数台に前に出られた瞬間は、「なんてこった! レースを失ったかもしれない」と思いましたか? それとも、ポジションを取り戻すことにだけ集中しましたか?
数台に前に出られた瞬間は、「なんてこった! レースを失ったかもしれない」と思いましたか? それとも、ポジションを取り戻すことにだけ集中しましたか?
ハミルトン:その瞬間は、スタートしたポジションを取り戻すことだけを考えてたよ。僕は後ろに下がっちゃったけど、僕のゴールは僕のいたポジションを取り戻すことにトライすることだったんだ。
もちろん、ニコが離れていくのが見えたし、僕はこれまでの経験からF1ではどんなことでも起きることを知ってるけど、毎週、毎秒ごとに勝利のチャンスは低くなって、かなり早い段階でレースに勝つことができないことはわかってた。でも、僕はトライして2位に上がった。スタートはロスしたけど、これはできることのベストだね。
—-セバスチャン、二度目のピットストップの後、DRSが開いたまま1コーナーへ走っていくのは、めったに見れないものでした。推測するに、ピットに入る際、あなたはクビアトの後ろでDRSの有効ゾーンにいたからだと思います。とても興味深いことでした。そして、ピットに入る際、大きくロックアップしたのは、DRSが半分閉まってたからですかね?
フェッテル:違うよ。僕がロックアップしたのは、ピットインの時はこれ以上タイヤをケアする必要がないから、できるだけハードにブレーキを踏んでラインで止まるためだよ。だから、少しばかりタイヤがロックしたけど、その時、悩まされてたわけでなく、ブレーキを踏んだだけだよ。それで、ピットアウトしていく時、僅かだけどまだDRSのアドバンテージを持ってたね。
—-メルセデスのドライバーに聞きます。いつもあなた達はテクニカルルールの変更に素早く適応してきますが、シングルクラッチでうまくやるのがなぜ難しいのか説明してもらえますか?
ロズベルグ:ルールは変わって、さらにチャレンジングになったんだ。なぜなら、今やドライバーがすることは少なくなったよ。とても難しい。
ハミルトン:ドライバーの役割が少なくなったとは思わないな。ドライバーのすることは以前と同じだよ。僕たちは比較的気まぐれなクラッチを扱ってる。とても難しい。 過去、僕たちはクラッチの温度を認識できて、クラッチをあわせるのは簡単だった。でも、今は、クラッチをつなぐのが簡単じゃないんだ。
—-セバスチャン、スパでのキミ(との接触)の後です。いつもより1周目の1コーナーはより用心深くなりましたか?
フェッテル:ニコとサイドバイサイドになったけど、いいブレーキングだったね。後ろのクルマは見てなかったよ。正直、スパの件は気になってない。
何度もスタートしてるけど、モンツァの1コーナーはタイトなことはみんな知ってるし、そのとおりだよね。ニコにとって十分な空間があったし、僕は1コーナーで彼にチャレンジはしてない。1コーナーに向かって、ニコと僕は間隔をあけたから、自然と後ろのクルマと近づくよね。同じように彼らはブレーキングの時、オーバーシュートせずに、うまく対処したから、みんな、少なくともターン2にうまく抜けたようだよね。
—-ニコ、しばしば言われることですが、いくつかの理由から、勝敗がルイスとあなたとの間で行ったり来たりする傾向がありますね。あなたがルイスより多くのレースで勝つと、そのトレンドは変わります。そして今、2連勝です。運気が自分にあると感じていますか?
ロズベルグ:そんなことはないよ。僕には波は見えないし、1レース、1レースを見てるだけだよ。今日は、僕はここで勝つことができて、とてもハッピーだよ。次は、シンガポール。勝利にトライするよ。
【翻訳:Masataka Hoshi】
Photos by
Ferrari S.p.A / FERRARI MEDIA
MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team