FIA、2017年のレギュレーションの変更点を発表
パワーユニットのストックを作り出すレギュレーションの抜け穴がふさがれた。
FIA(国際自動車連盟)は28日(水)、2017年のレギュレーションの変更点を発表した。
変更される項目は次の通り。
■ウェットでのスタンディング・スタート
レーススタート時、ウェット・コンディションによりセーフティ・カーが出る必要がある場合でも、レースがスタートできる状態になればウェットでもセーフティ・カー先導のスタートではなく、通常のレースと同じようにグリッドからスタートすることになった。
セーフティ・カーがピットレーンに入ると、各車はグリッドからスタートできる。
■ヘルメットのカラーリング変更
ファンがドライバーを簡単に見分けられるよう、各ドライバーは一度決めたヘルメットのカラーリングを大幅に変更することが禁止されていたが、来年からはホームレースのような特別なイベントに限り、1度だけデザインの変更が許される。
また、シーズン中にドライバーがチームを移籍した場合もヘルメットのカラーリングを変更することができる。
■パワーユニットのペナルティについて(ストックの作成が不可能に)
1週末中にドライバーがパワーユニット構成パーツを1つ以上交換する場合、従来通りパーツの使用数に応じてペナルティが与えられることに加え、最後にマシンに搭載したパーツのみがそれ以降のレースでもペナルティを受けることなく使用することができる。
これは、今年8月におこなわれたベルギーGPで、当時すでに今季中に使用できるパワーユニットのストックがなくなっていたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、ベルギーで合計55グリッド降格ペナルティと引き換えに交換した一連のパワーユニット構成パーツを組み合わせ、今シーズン中にペナルティなしで使用できる3基のパワーユニットを1週末中に手に入れてしまったことを受けて変更されるもの。
これにより、ドライバーはパワーユニットのストックをペナルティなしで増やすことができなくなる。
■シーズン初期のタイヤ選択に関する変更
各レースで使用するタイヤはチームごとにヨーロッパ・ラウンドは8週間前、それ以外のレースでは14週間前に決定しなればならならず、2017年序盤は各ドライバーが初めてタイヤを使用するプレシーズン・テストの前にタイヤを選択しなければならないため、最初の5戦に限り通常のタイヤ選択の手順はおこなわれない。
これにより、最初の5戦はタイヤ供給元のピレリから次の配分のタイヤが各ドライバーに供給される。
・ハード :2セット
・ミディアム :4セット
・ソフト :7セット
■協力関係にあるチーム間の取り決めの変更
協力関係にあるチーム間でパーツの使用、風洞テスト、人員の移動が可能になった。
【STINGER】
Photo by Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.