緊迫の3時間、ハミルトンの勝利とフェルスタッペンの神ドライブ!!–2016F1GP第20戦ブラジルGP決勝
2016F1GP第20戦ブラジルGPは、強い雨の中で凄まじくスペクタクルなレースを見せた。
優勝はルイス・ハミルトン(メルセデス)。今シーズン9勝目は、F1GP通算52勝目となり、アラン・プロストを抜いてミハエル・シューマッハに次ぐ歴代2位に躍り出た。
この勝利でハミルトンは、ニコ・ロズベルグ(メルセデス)との差を12点として、最終戦にタイトル争いを持ち込のことになった。
強い雨が緊迫したレースを演出した。スタート前のレコノサンス・ラップで、ロメイン・グロジャン(ハース)が登り区間の最終コーナーでコントロールを失ってクラッシュしたことが、レースを前にしてコンディションの厳しさを証明していた。
雨の中をセーフティ・カー先導でスタート、半ば強引にセセーフティ・カーが退出したレースは大荒れとなった。まず、セバスチャン・フェッテル(フェラーリ)がスピン。接触しなかったが、登り坂の最終コーナーは水が深く、滑りやすい状況が持続して極めてリスキーな”鬼門”となり、スペクタクルな終盤が展開した。
度重なるクラッシュの中でも大きなアクシデントとなったのはキミ・ライコネン(フェラーリ)。ストレートでフラついてウォールに激しくクラッシュしたフェラーリを後続車がすり抜け、あわや大惨事の場面を見せた。
二度の赤旗中断を挟んで、都合3時間の大荒れの展開を見せていたレースは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が主役を演じる緊迫のエンディングを迎えた。
鬼門の最終コーナーで、200km/hをはるかに超えたスピードでコントロールを失い、万事休すの場面を神業の立て直しを見せた19歳は、「運もあった」とレース後にサクッとコメント。再スタートのタイミングを利してニコ・ロズベルグを攻略、チームメイトのダニエル・リカルドを追い落し、それでも飽き足らずに3位のセルジオ・ペレス(フォースインディア)をサイドbyサイドの末にオーバーテイクし、3位表彰台を仕留めた。
また、今年一杯で、2002年からのF1GPレーサーを引退するフェリペ・マッサは、母国最後の舞台をクラッシュで終えながら、最後の舞台を一目見ようと集まった観客の前で、夫人と抱き合って14年を回顧して嗚咽し、大きな拍手を贈られた。
マクラーレン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが、リスキーなコンディションに耐えて10位でゴールした。
次のレースは、舞台をアブダビに移して、11月27日にロズベルグとハミルトンのタイトルマッチとして決勝レースを行なう。
◆2016F1GP第20戦ブラジルGP決勝
1. ハミルトン+メルセデス
2. ロズベルグ+メルセデス
3. フェルスタッペン+レッドブル
4. ペレス+フォースインディア
5. フェッテル+フェラーリ
6. サインツ+トロロッソ
7. フルケンベルグ+フォースインディア
8. リカルド+レッドブル
9. ナッセ+ザウバー
10. アロンソ+マクラーレン・ホンダ
11. ボッタス+ウィリアムズ
12. オコン+マノー
13. クビアト+トロロッソ
14. マグヌッセン+ルノー
15. ウェーレイン+マノー
16. バトン+マクラーレン・ホンダ
※以下、リタイア
グティエレス+ハース
フィリッペ・マッサ
パーマー+ルノー
ライコネン+フェラーリ
エリクソン+ザウバー
グロジャン+ハース
[STINGER]
Photo by MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team