インディ参戦はあり得る? — アメリカGP木曜記者会見 パート1
木曜日恒例のドライバー記者会見。2部構成の会見パート1には次の4名が参加。
マーカス・エリクソン(ザウバー)
ルイス・ハミルトン(メルセデス)
ブレンドン・ハートレイ(トロロッソ)
カルロス・サインツ(ルノー)
※パート1のコメントのみ抜粋して掲載してあります。
エリクソンはまだ決まっていない来年のシート、ハミルトンはインディ参戦の可能性や昨日訪問したNASA、国歌斉唱時の”ヒザつき”、ハートレイはF1デビューにあたって誰にアドレスをもらったか、サインツはシーズン途中でルノー入りした意味についてそれぞれ質問に答えた。
Q.ルイス、昨日はNASA(アメリカ航空宇宙局)で楽しまれたようですが、どうでしたか?
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン):みなさんおはよう。ここに来られて超ハッピーだし、昨日は信じられないような一日だったよ。昨日は一日中大盛り上がりだったんだ。だからちょっと今日は気が抜けた感じかな。僕がずっとやってみたかったことだからね。宇宙や宇宙旅行にずっと魅了されてたからね。そう、実際に行ったよ。それで何百も質問をした。担当してくれた人は僕にもうウンザリしちゃったろうね(笑)。 いろいろ質問して、いろんな素晴らしいものを見たよ。彼らが研究してる新しい技術だったりね。また行きたいよ。
Q.マーカス、2018年のシートは埋まりつつあります。あなたが置かれている状況に焦りはありますか? 来シーズンに向けた確約はあるのでしょうか?
マーカス・エリクソン:F1では契約を結べてない状態だとまず落ち着かないものだと思うし、だから僕にとっては残りの数戦で来年もグリッドに並ぶ必要があるって思わせるためにハードにプッシュすることが大事だよ。
Q.ブレンドン・ハートレイ、2017年のル・マン勝者です。グランプリの世界へようこそ。誰が誰に電話をかけ、ポルシェ(ハートレイが所属するWEC/世界耐久選手権のチーム)は何をしてくれましたか?
ブレンドン・ハートレイ(以下、ハートレイ):いい質問だね。実はポルシェが来年から耐久レース(WEC)にLMP1(WECの最上級クラス)で参戦しないことを発表したとき、ヘルムート・マルコ(レッドブル・モータースポーツ・コンサルタント)に電話したんだ。それで、こう話したよ。「ほら、僕は10年前とは違うドライバーになったし、たくさんのことを学んだ。もしチャンスがあるなら、僕は準備ができてるよ」ってね。彼は多くは語らないで、ただ、メッセージは受け取ったって話してくれただけだった。その3か月後に彼が電話してきたんだ。今回のことはすごい勢いで決まっていったよ。僕もメディアよりもずっと先に知ってたワケじゃないんだ。ここにたどり着くまで竜巻みたいな数週間だったよ。今はかなりリラックスしてるし、すべてを考慮するとね。トラックに出るのが本当に楽しみだよ。
Q.サインツ、(着ているルノーのシャツが)素晴らしい黄色ですね。今週末からルノーへ移籍することになりました。来年の前にシーズンの残り4戦で移籍することは重要なのでしょうか? そこからどんな収穫がありますか?
カルロス・サインツ:基本的に2018年のマシンは今年のマシンの進化版になるだろうから、今年のマシンでいろいろ試しておくときっと来年に役立つと確信してるよ。それにエンジニア、PR担当者、チームのボスたちと会って、この4戦で彼ら全員と一緒にチームで一緒に仕事を始めるのはいいことだし、2018年の冬から仕事を始めるよりも来年に向けてアドバンテージになるよ。
Q.ルイス、(日本GPの)ポディウムで佐藤琢磨との楽しいやり取りがアメリカで話題になりました。彼とのやり取りのあと、インディ500に対する興味について教えていただけますか?
ハミルトン:正直、あれでインディ500に参戦させる気にはならなかったよ。僕はいつもリスペクトしてるし評価もしてて、フェルナンド(・アロンソ)が参戦したときは僕も一緒になって観戦してすごくエキサイティングだったよ。ドライバーが1つのシリーズ以外にも参戦するっていうアイデアは大好きだよ。丁度先日、F1のマシンでオーバル(インディ500の舞台、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのような楕円形のサーキットのこと)を走ったんだけど、面白かったよ。僕は(インディ)で闘ってるドライバーたちをものすごくリスペクトしてるよ。彼らが走ってるような速さでバンクを攻略していくのは怖いしね。でも個人的にはやってみたいなっていう想いはないよ。そういうことをするチャンスはたくさんあるだろうけど、参戦する計画はないよ。
Q.ルイス、いくつかのメディアから、あなたが日曜日のアメリカ国歌斉唱のときにひざをつく※のでは、という報道が出ていますが、そのつもりはありますか?
ハミルトン:そういうことは考えてないよ
※本来は起立しなければならない国歌斉唱のときに膝をつき、黒人への人種差別に抗議する意味をこめた行為で、NFL(アメリカのフットボール・リーグ)を中心に広まった。
Q.ブレンドン、チームからシーズンの残りも参戦できる可能性について何か話がありましたか?
ハートレイ:それについてはあんまり話してないから、僕はとにかく今週末に集中するよ。そこからの成り行きを見て、どうなるか見てみよう。
Q.ブレンドン、F1のマシンのドライブについて、(ハートレイと同じレッドブル系ドライバーで、その後WECに転向した)セバスチャン・ブエミやマーク・ウェバーにアドバイスをもらいに行きましたか?
ハートレイ:うん、僕が参戦してるシリーズにいる友達みんなにちょっとアドバイスをもらったよ。今朝は朝食でマークに会ったよ。ダニエルにも会ったよ。僕の最高の友達の一人のダニエル・リカルドね。彼には2日目に会って、タイヤについてアドバイスをもらったよ。
Q.ルイス、モーター・レーシングはイギリスで生まれたものですが、今週末のグリッドに着くイギリス人ドライバーはあなただけになります。それはあなたのキャリアで初めてのことです。それについて何か思うことはありますか?
ハミルトン:出身がどこかは僕にとっては関係ないし、僕にとっては何も変わらないよ。
【翻訳:STINGER】
Photo by SCUDERIA Toro Rosso、Renault Sport Formula One Team、Sauber Motorsport AG