大好物も毎日は飽きる? — メキシコGP木曜記者会見
木曜日恒例のドライバー記者会見。2部構成の会見パート1には次の3名が参加。
セルジオ・ペレス(F.インディア)
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
パスカル・ウェーレイン(ザウバー)
※パート1のコメントのみ抜粋して掲載してあります。
ペレスは母国、それからいろいろあったチームメイト、フェルスタッペンはもちろんポディウムを奪われた先週末のアメリカGPと今後の対策、ウェーレインは来年の去就、それから全員がアメリカGPを大いに盛り上げたドライバー紹介に関する質問にそれぞれ答えた。
Q.セルジオ、あなたからお願いします。今週末、あなたはホームタウンのヒーローです。またメキシコでレースをする心境について話していただけますか?
セルジオ・ペレス(以下、ペレス):素晴らしい気分だよ。シーズン通して楽しみにしてるレースだからね。カレンダーのかなり遅い時期にあるけど、いいタイミングだね。ファンから貰えるエネルギーや醸し出す雰囲気はとにかくアメージングだよ。たくさん応援してもらえるからね。到着した瞬間から離れる瞬間まで全力で、だからね。トラック内外のぼくのすべてのファンに最高に楽しんでもらうのが楽しみだよ。
Q.オースティンを振り返ってみると、今回もF.インディアにとって強力なレースでした。そのときはチームメイトをオーバーテイクする許可が出ていませんでしたが、メキシコでは自由にレースをさせてもらえると聞いています。それは事実ですか? 今週末、私たちはあなたたちに何を期待できますか?
ペレス:そうだね、例えばオースティンと日本では優先事項がコンストラクターズ・ランキング4位を守ることだったし、それをやり遂げるまでもう少しだった。だから最優先だったんだ。それで僕らは(チームからの)信頼を取り戻せたんだと思う。上層部に、僕たちはトラブルとは無縁にレースができるってね。それが最優先だからね。実際、ここはかなり僕らが上手くやれる場所だと思う。マシンにはいくつかアップグレードを載せるし、トラックは僕らのマシンにかなり合ってるハズだからすごく楽しみだし、シーズンを高い位置で締めくくれたら嬉しいね。
Q.自由にレースをさせてもらえるのでしょうか?
ペレス:それについては聞いてないよ(笑)。 あなたの方が先に聞いてるみたいだね(笑)。 でもたぶんイエスだよ。 僕らはここでレースできるハズだよ。
Q.パスカル、F1のパドックでは現在、2018年についていろいろな話が出ています。あなたは椅子取りゲームのキーパーソンの一人です。契約書にサインするまでどれだけ近づいていますか?
パスカル・ウェーレイン(以下、ウェーレイン):それについてはまだ新しいニュースはないけど、でも……来年についてはいくつか話し合ってるところだし、近いうちに話をまとめられると思うよ。
Q.いい知らせはいつ頃になるか目星はついていますか?
ウェーレイン:最終期限は設定してないよ。この2年はいつもかなり遅くなってからだったしね。とにかく道を見つけたいし、来年の契約を結ぶことができれはハッピーだよ。
Q.ウィリアムズとのうわさも出ていますが、リスクを分散させるためにF1だけでなく、外の世界の可能性も模索していますか?
ウェーレイン:まだ外には目を向けてないよ。
Q.幸運を祈ります。さてマックス、あなたは明らかに先週末のオースティンでのことを議論するためにここにいます。何が起きたかハッキリさせるまで数日かかりましたが、今の考えはいかがでしょう?
マックス・フェルスタッペン(以下、フェルスタッペン):考えはあんまり変わってないけど、全体的には素晴らしいレースだったよ。すごくエンジョイできたからね。マシンのぺースはそこでも素晴らしかった。これで3戦連続で僕らは本当に競争力があったし、それがこのメキシコでも続いてほしいね。
Q.レース後はかなりアツくなっていましたが、あなたがコメントしたことや(スチュワードの一人をバカ呼ばわりした)言葉遣いに対して何か後悔してることはありますか?
フェルスタッペン:そうだね、レース後はかなり感情的になると思うし、特にポディウムを取り上げられたときはね。僕はそれにふさわしいと思ってた。あの裁定は正しいとは思えないからね。みんなターン19、8、9でトラックからはみ出してたんだから。ターン6ですら、誰かのうしろを走ってイン側にカットするし、いくつものマシンがそうしてた。それに、ファンもそうする方が好きだと思うよ。素晴らしい動きだったけど、それがオーバーテイクしたときにアドバンテージを得たっていう話をされたよ。そうだね、もしそこで僕が本当にアドバンテージを得てるなら全部のラップでそうするけどそうじゃないし、アドバンテージになってるとは思わないよ。さっきも言ったけど、ほかのたくさんの人たちも同じようにやってたし、コーナーのイン側をカットしてたのにペナルティを貰ったのは僕だけ。もちろんね。正しいとは思えないよ。それで怒るのはいたって普通のことだと思うよ。もちろん違う言葉も選べたけど、結局、僕は今も裁定が正しいとは思ってないよ。
Q.4日経過しても気持ちは変わらないということですか?
フェルスタッペン:その通りだよ。
Q.マックス、あなたにペナルティを与えたのは同じマーシャルと話していましたが、このメキシコにも来ていると思います。そのマーシャルは誰ですか? 失礼、(レース)スチュワードですか?
フェルスタッペン:名前は挙げたくないよ。
Q.マックス、その失望をどのように消化しましたか?
フェルスタッペン:月曜日にはイベントがあったし、僕はヒューストンのあたりに滞在してたんだ。そこにいないといけなかったからね。FIFA(欧州サッカーのテレビゲーム)をプレイしてたよ(笑)。 結局、僕は素晴らしい日を過ごせたよ。もちろん彼ら(運営側)が僕のポディウムを奪ったのは嬉しくないけど、ポジティブな面にも目を向けないとね。素晴らしいレースだったのは確かだから。今も満足してる。スピードがよかったからね。
Q.マックス、あなたは完璧なレースをしましたが、同時に(母国の)オランダから批判もいくつか出ていました。恐らくそれ(母国で)は今回が初めてのことではないでしょか? それに対してどう思いますか?
フェルスタッペン:さっきも言ったけど、違う言葉を使うこともできたのは確か。でも、これもさっきも言ったけど、あのときの僕は怒ってた。正しい判断じゃないと思ってたし、なんでそれが正しくないかはもうすでに全部を話してるよ。だから少し僕の側の視点も理解するべきだと思うけど、確かに使った言葉は正しくはなかったよ。でももう今それを(過去に遡って)変えることはできない。それが誰かを指してたり、誰かを怒らせようとしてたワケじゃないんだ。もし僕が誰かを責めるなら名指しでそうしてるよ。
Q.マックス、また同じ話題にもどって申し訳ありませんが、映像を確認すると、あなたの最初の反応はキミ(・ライコネン)との接触を避けようとしているように見えます。それでランオフエリアを捜しています。これは正しいですか?
フェルスタッペン:そう、もちろんだよ。彼はある時点で気が付いたと思うけど、僕は彼をオーバーテイクしようとしてた。だから彼は”ドア”を閉めてきた。それを避けないといけない。それでもちろんオースティンのトラックはイン側を走ればかなりの可能性が見込めるから。週末通して見てきたようにね。そう、まず最初にインシデントを避けようとして、それで彼をオーバーテイクしようとしたよ。
Q.マックス、あのパスは違法と判断されましたが、オースティンではみんなが同じようにしていました。すべてのドライバーが繰り返さないために抑止力となるものを使用することができます。それには自制が必要ですが、みなさんにはそれが不足していました。モンツァの最初のシケインのようにバナナ(縁石)を置く必要がありますか? ドライバーが余計にトラックを利用することを防ぐアイデアはありますか?
フェルスタッペン:(必要なのは)自制じゃないと思うよ。みんなするべきことも、そうじゃ無いこともよくわかってると思う。
Q.セルジオ、今シーズン、現時点まででチームメイトとの関係を説明するとどうなりますか? ここでのあなたの人気を考えると、メキシコのファンは今週末彼を応援してくると思いますか?
ペレス:確かにバクーで僕らの関係はマズくなったし、特に(接触した)ベルギーで稼いだポイントはすごく少なくなった。でもそのあとの僕らはチームの人をだれもはさまずに、2人だけでいい話し合いができたよ。両サイドで力を合わせたことで、大きな差の違いを生んだよ。それに、特に来年に向けてすごく重要なことだからね。大きなチャレンジだよ。チームの利益のために力を合わせないといけないからね。チームにとって、2人のドライバーが団結することが重要なんだ。明らかにお互いを倒したいんだけど、尊重することが重要なんだ。今はちゃんとリスペクトできてると思うよ。それで僕は嬉しいし、雰囲気もいいよ。(メキシコの)ファンもエステバン(・オコン)に対してマイナスとは思わないよ。彼らはここで僕をすごく応援してくれるけど、彼に対してマイナスになる理由はないからね。何かあるとすれば、ここまでに闘ってきた毎イベントで彼らは彼に対してすごくよくしてたし、それは彼だけじゃなくて誰に対してもだね。彼らはこのスポーツが大好きだし、結局スポーツなんだからそれがあるべき姿だよね。
Q.みなさんにお聞きします。先週のレースのドライバー紹介ですが、あれがどれだけ目を見張るものだったかについてソーシャルメディア上で話題になっています。非常にアメリカ的なものでした。あの紹介については様々な見方があります。それについてみなさんの考えを聞かせてください。それからセルジオ、このメキシコでもできると思ますか?
ペレス:ああいうのが必要ないレースがあるとすれば、それはメキシコだよ。メキシコはこの2年で最高のグランプリだったし、これからも同じだと思ってる。個人的に(アメリカのドライバー紹介)はこのスポーツにいいと思うけどね。毎回同じのをやるのは……毎戦レースがそれぞれ独自のものがいいだろうね。中国やブラジルに行くときも同じなんだよね。同じ木曜日、金曜日、それから日曜日とね。どれもすごく似てるから。ああいうのはこのスポーツを盛り上げてくれると思うよ。個人的には長い時間座って待つのはいいことじゃないし、特にレースの前はね。でもこのスポーツにはいいことだと思うし、いくつかのレースはそういうのを考えてみてもいいんじゃないかな。
Q.パスカルは?
ウェーレイン:僕はすごく好きだよ。たぶん全レースってワケじゃないと思う。それだと多すぎるからね。でも例えば特別なレース、モナコとかシンガポールみたいなとこならね。そうなったらすごくナイスだよ。
Q.マックスは?
フェルスタッペン:そうだね、いいことだと思うよ。でももちろんすごくアメリカ的だし、だからどのトラックでもやるべきではないだろうね。どこがよくてどこがそうじゃないかを見極める必要があるね。いくつかの微調整はいつでもいいことだけど、一番最初のはかなり上手く行ったと思うよ。
【翻訳:STINGER】
Photo by Red Bull Racing / Getty Images、Force India F1 Team、Sauber Motorsport AG