ホンダF1開発の責任は?–カウントダウン企画 2018F1GP開幕まであと98日
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12月7日に本田技研工業株式会社から届いたリリースには、 森山克英執行役員 ブランド・コミュニケーション本部長のコメントが掲載されていた。
「これまで、F1プロジェクト総責任者が担っていた技術開発とレース現場指揮監督の責任範囲を分離し、開発とレース/テスト現場それぞれが、よりスピーディーに業務を遂行できる体制へと進化させます。開発現場とレース現場が各々の役割をしっかり果たすことで、Toro Rosso Hondaが上位争いをする姿を一日でも早くお見せできるよう挑戦を続けてまいります。引き続き皆さまの応援をよろしくお願いします」
リリースはここで終わっているが、なにかが足らない。このコメントからだと、長谷川F1プロジェクト総責任者以下に問題があったから成績が悪かったように聞こえる。
2018シーズンに向けて、ホンダF1チームの体制は、長谷川祐介F1プロジェクト総責任者から、現場担当責任者は田辺豊治テクニカル・ディレクターに交替する。長谷川総責任者がこれまで現場と開発の両方を担当していた。田辺TDの持ち場は現場だ。となると、開発はどうなるのか。
問題は、現場のやる気やモチベーション以前に、開発の予算決定を誰がするのかだ。もっと簡単にいえば、そもそもホンダがそうであったように、モーターレーシングの機微を深く理解し、愛を持っているかどうか。さらに、役員室の中で、F1のレベルが深く理解され、そこで闘うために覚悟すべき予算が充分に理解されるムードがありやなしや。
“闘う環境”が社全体としてどこまで整っているのか、気になるところだ。
[STINGER]山口正己
(97へつづく)