スピードアップでドライビングのリスクが高くなった–カウントダウン企画 2018F1GP開幕まであと83日
(その84からつづく)
知れば知るほどF1開幕が楽しみになる。
昨年の開幕戦オーストラリアGPの予選で、ダニエル・リカルド(レッドブル)がスピンして後ろ向きにバリアにクラッシュするアクシデントが起きた。
車両規則が変更になり、マシンのコーナリング限界が高くなった2017年シーズンが、F1ドライバーでさえ対応が不可能になったことを感じさせた。
タイヤが太くなり、ダウンフォースが増加したことで、コーナリング限界が向上した。その結果、攻め込んだ走りをしたときに、その難しさが露呈する。つまり、限界にチャレンジするドライバーは、スピードが上がる分だけ破綻したときの動きが激しくなって対応が追いつかずにスピンするリスクが増えたことが考えられた。2017年のマシンは、速いドライバーほどドライビングが難しくなったのだ。下手だからスピンするのではく、チャレンジングに攻めたときにそうなる。
同じ傾向が、10月の日本GPの鈴鹿サーキットでも起きていた。鈴鹿サーキットは、難易度が高く、特にデグナーの二つ目は、新人にとっての鬼門と言われていた。しかし、去年の鈴鹿のデグナーの餌食になったのは、新人ではなくベテラン、フェラーリに乗るキミ・ライコネンだった。
(その82につづく)
[STINGER]山口正己
写真素材:Red Bull Racing / Getty Images/Red Bull Content Pool