昔の方が難しかった(?)モナコ–カウントダウン企画 2018F1GP開幕まであと42日
新シーズンに向けて鼓動が高まる!!
(43日からつづく)
ファンジオに始まり、クラーク、スチュワート、ラウダ、プロスト、ピケ、セナ、マンセル、シューマッハ、アロンソ、フェッテル、ハミルトンと、時代を代表するドライバーがF1GPに名を連ねている。
さて、歴代のF1ドライバーで誰が一番か、という話題が時折出るけれど、結論に出逢ったことはない。その理由は、時代とともにマシンが変わり、コースも違うモーターレーシングでは、“世界記録”という表現を使うのは若干無理があり、ドライバーの能力を比較できにくいからかもしれない。
ここで、面白い映像を紹介しよう。1970年のモナコGP、ロータス49Cに乗る1962年と1969年ワールドチャンピオンのグラハム・ヒルが、コースを紹介している。モナコマイスターと呼ばれたヒルの映像で注目してほしいのは、現在とはかなりレイアウトが異なるコースではなく、“縁石”だ。
当時の縁石は、現在のように二色に色分けされていない。高さ10cmほどの直角に切り立った、文字通り、一般公道で見かけるブロックがコースを囲んでいる。
現在なら、縁石は“いかに上手く乗り越えるか”がテーマになるが、1970年当時の縁石は、触ってはいけない境界線だった。縁石にタイヤが触れれば、ほぼ間違いなくタイヤのサイドウォールが破れてパンクする。
もちろん、スピードは現在の方が圧倒的に速いから、これまた単純比較はできないけれど、触れない縁石に囲まれたモナコのコースでタイムアタックする時、ドライバーがどんな気分だったかを考えると、現在とは別の物語がそこにあったことが想像できる。
[STINGER]山口正己
Photo by HONDA