ミラクルは起きるのか?!—-カウントダウン企画 2018F1GP開幕まであと1日
新シーズンに向けて秒読みが始まった!!
(2日からつづく)
3月24日土曜日、2018年F1GP開幕戦の舞台となるメルボルンは、”降水確率98%”の予報の中で朝が来た。気温は22度と暖かそうだが、F1の神が用意する筋書きは、そうそう甘いものではなさそうだ。
明日の決勝レースに向けて、午後からフリー走行と予選が行われるが、予選の見どころは、3つ。
1)三強の差
メルセデスは強いだろうが、フェラーリとレッドブルがどこまで迫るか。いや、もしかすると?
バルセロナF1合同テストと昨日のフリー走行から、メルセデスの強さは今年も続きそうだが、レッドブルとフェラーリが確実に接近している。この差がどこまで詰まるのか。
去年の予選は、ハミルトン(メルセデス)がポールポジション。2位のフェッテル(フェラーリ)との差は0.268だった。昨日のフリー走行では、やはりハミルトンが最速だったが、2番手のフェルスタッペン(レッドブル)は0.127秒差だった。
興味深いのは、去年のハミルトンのポールタイムが1分22秒188だったのに対して、昨日は、このタイムに届いていない。”届いていない”のか、”届かせていない”のか。
今年は、HALOが装着されたことでコクピット周辺の”外見”の変化とともに、シーズン中に使えるパワーユニットの数が、年間4基から3基に減らされた。これがパワーにどう影響するのか、午後の予選で見えてくる。
ちなみに、今年のパワーユニット、メルセデスもフェラーリもルノーも、そしてホンダもなかなか悪くない音がしている。
2)トロロッソ・ホンダのタイム
金曜日のフリー走行2で、トロロッソ・ホンダは16番手と17番手と振るわなかった。これは、信頼性を重視して、レースセット重視でプログラムを進めているからと想像できる。
問題は、『予選のひとひねり』。短時間だけ考えればいい予選で、ホンダのひとひねりがどうか。テストでもフリー走行でも、ここまで見られなかったライバルとの関係が、予選で初めて明かされる。
3)実は去年も予選6位のグロジャン(ハース)
ハースが好調だ。チームのエンジニアリングを統括する小松礼雄エンジニアは、木曜日の段階で「完走すれば」と自信とも不安とも取れるコメントをしていたが、実は去年もグロジャンはポールポジションのハミルトンに遅れること約1.8秒だった。昨日のフリー走行2では、その差は0.7秒ほどに詰まっている。
さらに去年の予選で振るわなかったハースのもう一人、ケヴィン・マグヌッセンも、トップ10に食い込んでいる。小さいチームながら、フェラーリのパワーユニットの進化もあるのだろう。
ハースを中心に、中団グループの予選は、拮抗した闘い必至だ。緊迫の予選は、午後5時、日本時間午後3時に始まる。
STINGER 山口正己
Photo by PIRELLI