マクラーレン今井エンジニアの”読み”
開幕戦の決勝スタートまで2時間。前年のコンストラクターズポイント順に並ぶパドックのホスピタリティの一番奥にマクラーレンで、今井弘チーフ・レース・エンジニアを訪ねた。
「このサーキットは比較的難しいサーキットで、完璧なラップはなかなか出しにくいですね。もちろん、(クラッシュした)ボッタス+メルセデスの例もありますし。サインツ+ルノーも、Q2のタイムは凄くよかったですが、Q3はまとめきれずにコンマ5くらい落ちてしまった。なかなか難しいサーキットなので、タラレバを言ってもキリがないですが、内容的には悪くなかったですが、普通にきちんと走っていればもうちょっと上のポジションにすることはできたと思います」
「難しいのは、アルバートパークは、コースレイアウトにクセがあるからです。ブレーキングがストレートではなかったり、ブレーキングゾーンにうねりがあったりとか。クルマを常に安定させておくのが難しい。もちろん、コンクリートの壁がぎりぎりで、セフティゾーンが最新のサーキットに比べれば広くないという違いはありますが、一筋縄ではいかないある意味、いいサーキットです」
「新人には厳しい、というより、緒戦なので、そこからして厳しいと思います。パーマネントコースではないので、路面がどんどん変わりますし」
テストでは、速いけれど壊れる、と思っていましたが、レースは難しくなるんじゃないかと思いますがいかがでしょう。
「レースを終わってからもう一回お話しましょう」
今井さんの勝ちだった。
STINGER 山口正己
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