トロロッソ・ホンダ試練–中国GP決勝
トロロッソ・ホンダは、前戦のバーレーンと打って変わっていいところなく中国GPを終えた。
フリー走行では悪くない感触を示していた2台のトロロッソ・ホンダだったが、土曜日のセッティング変更が大外れ。予選は15位と17番手。Q1を通過できなかったピエール・ガスリーは、「変調の原因を追求しなければ」と語っていたが、レースになってもその傾向は変わらず、ブレンダン・ハートレーとともに下位に甘んじるレースとなった。
最悪のシナリオは、レースが1時間を消化したときに起きた。2台のトロロッソ・ホンダが連なって走っていた。ペースが速かったガスリーが、コーナーでハートレーのインサイドに切り込んだが、ハートレーから見えない位置関係。2台は接触し、散らばったガスリーのフロントウィングの破片を片づけるためにセフティカーが導入された。
トロロッソ・ホンダの悲劇は、皮肉なことに、レースを面白くするきっかけになった。セフティカーが導入されたタイミングをレッドブルが見逃さず、2台をピットに呼び込んで、タイヤを交換、終盤の大逆転劇の引き金になるという、なんとも皮肉な筋書きとなった。
一方、トロロッソ・ホンダの最大のライバルであるマクラーレンは、フェルナンド・アロンソが巧さを発揮、最終ラップにフェッテル+フェラーリをパスして7位に食い込んだ。
開幕戦から1戦毎に、激しく浮沈を繰り返すトロロッソ・ホンダ。“本物”になるためには、トータルな『安定』が必要だ。
[STINGER]山口正己