ダニエル・リカルドは、決意の人!!
F1第4戦アゼルバイジャンGPのフリー走行初日、レッドブルのダニエル・リカルドがトップタイムを記録した。昨年の覇者でもあり、オーバーテイクが巧いと言われているリカルドだ。
バクーのコースが、凄まじく高速で狭く、21戦中最もリスキーであることを考えると、リカルドが優れているのは、度胸があるからではないか、と思えてきた。もちろん、単なる蛮勇ではなく、ここぞ、というときの決断力の強さ、英語でデタミネーションという“決意”の強さだ。だから追い越しもズバッといける。相手がだれでも関係ない。
バクーのコースは、狭くて超高速で、フリー走行から観ていて手に汗握るが、そういうコースで必要なのは、優れたマシンとドライバーの決断力だ。ジェイムス・ハントは、スターリング・モスのインタビューで、レーサーに必要なのは?と訊かれて、“Bog ball!!”と答えたのを思い出す。
モナコのウィナーが讃えられるのは、コンクリートウォールに囲まれたコースがリスキーだから。尻込みしていたら置いていかれるから気合を入れてアクセルを踏む。だが、スピードが高くなればなるほどワンミスが命取りになる。
モーターレーシングの面白さは、マシンのメカニズムと同時に、ドライバーの決意の瞬間を味わえるところにある。アゼルバイジャンGPのその瞬間を、予選、レースと楽しみたい。ちょっと怖いと思いつつ。
[STINGER]山口正己
Photo by Aston Martin Red Bull Racing