交渉すれば何とかなる？— イギリスGP木曜記者会見
悪夢のリタイアから4日間しか経過していないもの、対策に自信を見せるハミルトン。
木曜日恒例のドライバー記者会見。今回は次の3名が参加。
ルイス･ハミルトン（メルセデスAMG）
シャルル･ルクレール （ザウバー）
マックス･フェルスタッペン（レッドブル）
※3人のコメントを抜粋して掲載しています。
ハミルトンは母国GPの思い出とリタイアに終わったオーストリアGP後の対策、ルクレール最近の活躍、フェルスタッペンはオーストリアGPでの優勝についてそれぞれ語った。
Q.シャルル、この6戦中、2戦でポイントを獲得し、そのすべてでQ2入りしています。マシンのポイントをつかんだことは明らかです。今週末に向けてどれほど自信がありますか？
シャルル･ルクレール（以下、ルクレール）：そうだね、前にも言ったように自信はそんなに高くはないよ。毎戦でネガティブなことも見つかってるし。まだネガティブなことは多いよ。ポールリカールではいくつかミスしちゃったし、オーストリアでもそう。ただ、コンスタントにポイントを稼げてるのは素晴らしいことだね。僕らはそこまでやれるって期待してなかったから。6戦連続でQ2入りできたのもとにかくクレイジーだよ。ここではもう少し難しい週末になるって予想してるし、特に高速コーナーだね。でもプッシュしてくし、上手くいけば今回もポジティブな週末になるかもしれないね。
Q.マックス、4日前のことですが、チームのホームレースのオーストリアで優勝し、レース後に（母国の）オランダのファンが熱狂している場面がありました。それから4日間、振り返ってみていかがでしょう？
マックス･フェルスタッペン（以下、フェルスタッペン）：ちょっと予想してなかった優勝だったけど、もちろんそれを手にできたのは素晴らしいよ。特に金曜日と土曜日はファンタスティックとは言えなかったしね。それでレースになって僕はすぐにマシンのバランスのよさを感じて、少なくとも高速コーナーでロスする前にちょっとプッシュできると思ってた。それで、もちろん前にいたメルセデスのマシンだけど、バルテリ（･ボッタス）がトラブルを抱えてて、彼がいなくなってヴァーチャル･セーフティカーが出たからチームはそれを予測してピットストップしたのはいい仕事だったよ。それでそこからはとにかくタイヤのケアがすべてで、僕らは上手くやれてたと思う。もちろん最後はフェラーリも迫って来てたけど、チーム全体で何とかできたし、そうだね、もちろん勝てて嬉しいよ。
Q.ベストな優勝のひとつですか？
フェルスタッペン：そうだね、勝てるもんならなんだってナイスだけど、あのときは予想もできなかったし、そういうワケだから少し特別だね。
Q.ルイス、あなたは勝てばシルバーストン6勝目になります。現在5回連続で勝っています。どれもがあなたにとって素晴らしいものでしょう。今週末はあなたを応援するためにグランドスタンドにたくさんのファンが詰めかけます。今週末にホームGPに向けた想いを聞かせていただけますか？
ルイス･ハミルトン（以下、ハミルトン）：毎年と同じだよ。イギリスGPは僕にとって一番特別なレースだからね。本当の特権だね。ここのファンはとにかくすごいし、天気もこれまでで最高だね。僕らはワールドカップ（サッカー）も闘ってるし、（今週末はイギリスの）スポーツ面で素晴らしいタイミングだね。
Q.ここのレースがほかと違いのはどこでしょう？
ハミルトン：その理由はファンだね。
Q.（オーストリアでのリタイアのあと）ファクトリーでどのようなフォローがあったのでしょう？ 何か話していただけますか？ なぜリタイアに至ったのでしょう？ 今週末はもう心配ないのでしょうか？
ハミルトン：難しい週末だったのは確かだし、もちろん望んでない結末だったけど、死ぬほどつらい経験は人を強くする。正直、チームのスピリットはこれまで以上に強い。あの経験が僕らの結びつきをほかのどのシーズンより強くしてくれた。チームには素晴らしいエネルギーが流れてる。つらい経験が僕らをより結束させてくれて、僕らをより強くしてくれたと思う。ここに来るまでにいくつか修正できてると思う。レースの直後にマシンを戻して直せたと思う。だから再発しないためにできることはすべてやれた自信はあるよ。
Q.ルイス、オーストリアから4日しか経っていません。たった4日で十分なのでしょうか？マシンの信頼性は戻りましたか？ 気持ちの整理はつきましたか？
ハミルトン：そうだね、レースのあとは大丈夫だったよ。最終的に見てるのはポジティブな部分だと思う。僕がどれだけ情熱を持ってるか思い出させてくれる。チームのみんなも同じように思ってる。自信もあるし、勝ちたい意思はある。すべて修正できたし、この数日間、みんなとにかく一生懸命に取り組んでくれた。どれだけ素早く取り組んで、直しちゃうことにビックリしてるし、明日マシンに乗ることにワクワクしてる。
Q.ルイス、ワールドカップについて言及されましたが、いい結果を残して母国の祝賀ムードをより盛り上げたいですか？
ハミルトン：そうだね。僕らがここのグランプリに来るときは毎回いくつかスポーツの大きな一戦がある。ウインブルドン（テニス）とかね。土曜日の公式会見を欠席したらペナルティが何なのか聞こうとしてたんだ(笑)。 交渉すれば何とかなる？ （サッカーの）試合を観たいんだけど、ほかの日にスマホで見ないといけないし、少なくとも観るよ。
Q.今年はDRS（可変リヤウイング）を使ったままターン1を通過できます。それに対して何を思い、予選でそれを使えると思いますか？
ハミルトン：疑ってるけど、みんなやってみるだろうね。マックスが最初にやるんじゃない？ きっとそうだね(笑)。僕らはみんなマックスに続くし、どうなるか見てみよう(笑)。 ただ、いつもはターン1に入るところはバンピーだからね。難しいと思うよ。
Q.マックス、DRSを全開にしてターン1を抜けますか？
フェルスタッペン：どのチームもやるとは思わないけどね。僕はやってみるし、確かめてみる。
ハミルトン：みんなにちょっと聞きたいんだけど。僕はどうだと思う？ 僕の隣には20歳のドライバーがふたり座ってる。僕は最年長ドライバーに近いけど。
フェルスタッペン：問題ないよ。上手くやってるからね(笑)。
ハミルトン：ありがと、感謝してる(笑)。
Q.マックス、チームがホンダと契約を結ぶ前にあなたと話し合いをしましたか？
フェルスタッペン：それは僕のキャリアにも関係することだから、僕らは確かにその話をしたよ。でも、結局は僕が決めることじゃない。僕はポジティブな判断だと思うよ。
Q.シャルル、アルファロメオは1950年の5月13日（史上最初のF1GP）、このシルバーストンで初優勝しています。アルファロメオとの関係はあなたになにか影響していますか？
ルクレール：間違いなくね。そのことは今朝チームから聞いて知ったんだ。チームにとって特別なグランプリだけど、一方で僕らはまだ優勝を賭けて闘える位置にいないから、そうだね、チームにいい結果を持ち帰りたい。またポイントをゲットしたい。でも週末は優勝はできないだろうね。
Q.ルイス、2007年（ハミルトンのデビュー年）以来、シルバーストンでのあなたの応援ぶりが加速していることをどう捉えていますか？ 最初から大規模だったのでしょうか？
ハミルトン：いや、増え続けてると思う。たぶん、年が経つにつれて増えてることに感謝してるけど、2007年ですでにかなりスゴかったし、予選のラップ（1位）からだったと思う。それに2008年のことは……決して忘れられないね。それ以来ずっと増えてきてる。そのまま続いてほしい。次にやってくるイギリス人（ルーキー）は誰？ 僕の次は？ 僕もずっといられるワケじゃないからね。
ルクレール：たぶん（メルセデスのリザーブ･ドライバー、ジョージ･）ラッセルな？
ハミルトン：あぁ、そうだね。僕は（母国のファンを）少しでも長く楽しませたいな。
【翻訳：STINGER】
Photo by Aston Martin Red Bull Racing、Sauber Motorsport AG
