夏休みを捧げたハミルトン
5度目のワールドチャンピオンに向けて、セバスチャン・フェッテルとの激しいタイトル争いを展開中のルイス・ハミルトン。夏休みにリラックスして鋭気を養っているのかと思いきや。ハミルトンが自身のインスタグラムのビデオで報告した夏休みの“活動”は、プラスチックの使用抑制の呼びかけだった。
メキシコで、タイフーンの影響で250トンのペットボトルなどのゴミが押し寄せたというニュースが流れていた。腐らないプラスティック素材は、リサイクルができるかどうかということより、ゴミになった時の処理に対して問題意識を持った一人がルイス・ハミルトンだった。
ビデオでハミルトンは、4人の友人たちとギリシャのミコノス島のビーチを訪れ、波に打ち寄せられた大量のペットボトルなどのプラスチック製品のゴミ掃除を行なったことを伝え、「ポリスチレンやプラスチック製品を買わずに、ゴミを生産する企業を助けないように」と呼びかけた。
古くは、ミハエル・シューマッハがタイの洪水に、日本円にしておよそ10億円を寄付したことがあったが、ワールドチャンピオンの知名度やポジションが日本では考えられないレベルで大きいヨーロッパであることを考えると、ハミルトンの行ないのインパクトは小さくないはず。ヨーロッパでのモーターレーシングのポジションを羨ましいと考えさせられたと同時に、日本でも、著名なアスリートのこうした動きが触発されるきっかけになることを期待したい。
[STINGER]山口正己
Photo by MERCEDES AMG