「マルチ21」を思い出せ!!
2013年マレーシアGPで、激しいトップ争いを展開したレッドブルのチームメイト、セバスチャン・フェッテルとマーク・ウェバー。レッドブル代表のクリスチャン・ホナーのF1公式サイトのポットキャストの発言が、さらに話題を広げている。
サイドbyサイドの連発となった2013年F1GP第2戦マレーシアGPの首位攻防戦は、まさに一触即発の際どさだった。勝負を終えてチェッカードフラッグを受けたウェバーは、表彰台の控室で、“マルチ21だろ”と強い語気でフェッテルに問いかけ、フェッテルが言葉を失った。“マルチ21”とは、「ゼッケン2→ゼッケン1の順番」を意味する暗号、不要な接触を避けるために、状況から判断されて決められるいわゆるチームオーダーの言わば暗号。ウェーバーの“取り決め”をフェッテルが守らなかった、という主張に、フェッテルは返す言葉がなかった。
拮抗するチームメイトにはよくある例だが、さて、レッドブル関連でいくと、今回のリカルドのレッドブル離脱は、マックス・フェルスタッペンとの“立ち位置”も影響したか。厳しい世界では、八方丸く納まる、ということは、どうやらない、と言えそうだ。
[STINGER]山口正己
photo by REDBULL