スーパーフォーミュラにレッドブルのマルコ博士参上!!
レッドブルの重鎮であるヘルムート・マルコ博士が、8月19日にスーパーフォーミュラの決勝レースが行なわれたツインリンクもてぎに姿を見せた。わざわざ来日した目的は何か。
スーパーフォーミュラのスタートを控えたグリッド上のインタビューに、マルコ博士は、以下のように答えた。
「去年、ピエール(ガスリー)が成功したスーパーフォーミュラがどういうレースか実際見てみたかった。将来に向けてのドライバーも見ておきたかったんだ。昨日の土曜日に予選を見たが、まず、スーパーフォーミュラのマシンが速いことが分かった。タイヤのパフォーマンもいいし、タイヤのパフォーマンスも印象的で、フォーミュラワンのトレーニングにはいいカテゴリーと思ったよ。レッドブルのドライバーにはもう少し頑張ってほしかったね」
去年の秋、ホンダの開発基地であるサクラを内密に視察し、そのポテンシャルを確認し、ホンダとパワーユニット契約に踏み切ったといわれるマルコ博士だが、スーパーフォーミュラを視察に現れるとは、少々驚きだった。
穿った観方をすると、レッドブルが来年からホンダのパワーユニットを使うことになっているが、スーパーフォーミュラの場に足を運ぶことで、ホンダの育成ドライバーに興味を持っていることを示しておけば、ホンダのご機嫌伺いができる、と読んでいる?
今回のスーパーフォーミュラで、レッドブル関連でいくと、平川亮がレッドブル・ドライバーとして真っ先に名前が上がるが、平川亮はトヨタ系なので、マルコ博士の視野には入っていないはず。となるともう一人、レッドブル・カラーのチーム無限のステアリングを握る福住仁嶺だが、今回のレースではいいところなく終わってしまった。
次が、レッドブルつながりはないが、ホンダのドライバーとして、松下信治の名前が浮かぶ。今回松下信治は、結果として4位に甘んじたが、スタート直後に石浦宏明を鋭く刺してトップを奪い、序盤にレースをコントロールして悪くないところをみせられた。後半は、ピットアウトのタイミングで前にいた関口雄飛の執拗なブロックに遭って勝機を逸したが、終盤のペースダウンは、トヨタ勢に対して燃費などレースでのポテンシャルが若干苦しいホンダのエンジンのこともある。ホンダ・ユーザーの中では、最上位だったことから、悪くない点数が着いたかもしれない。
まだまだF1の椅子取りゲームは終わっていない。トロロッソ・ホンダも、ドライバーは決まっていず、そこも含めて、思わせぶりなマルコ博士のスーパーフォーミュラ視察だった。
[STINGER]山口正己
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