【?DOCCI?】–開幕戦上位はフェルスタッペンかガスリーか?
山本雅史本田技研モータースポーツ部長は、「平成のうちに優勝する」と風呂敷を広げた。平成は4月が最後。オーストラリア、バーレーン、中国、アゼルバイジャンの4戦で勝つ、ということだ。
山本部長のコメントは、「オーストラリアとバーレーンは、うちにマッチしているコースなので」と実は冷静な分析をした上で出たもの。となると、平成のうちどころか、開幕戦でいきなり、ということもある?
それは始まってからのお楽しみということにして、さて、先に勝つのは、先輩のマックス・フェルスタッペンか、レッドブル新参入のピエール・ガスリーか。普通に考えれば、フェルスタッペンに1票、ということになるが、どうだろう。
理想でいけば、フロントローをレッドブル・ホンダが独占して、トップ争いの上、1-2フィニッシュとなれば素晴しいが、そう都合よくは進まないか。しかし、2018のように、メルセデスがほとんどフロントローということにはならないだろう。三強がほぼひとかたまりの横並びになり、期待としては、空力の部分で鬼才アドリアン・ニューウェイのレッドブルが頭ひとつ前にいる、という状況か。
1980年代終盤、ニューウェイのデザインで注目を集めたレイトンハウスのマシンは、1戦毎に違う形のフロントウィングをつけてきた。今では珍しいことではないが、当時は、フラップの調整でバランスを取るのが普通の考え方だったが、ニューウェイは一枚上を行っていた。リヤウィングのフラップの後ろ面にステッカーを貼るのを嫌がったという逸話もある。空気の流れを乱すからというのがその理由。ステッカーの厚みにまでこだわるところが鬼才は、他のチームが真似をして似たようなウィングを試しているのを見て放った一言が、「全然分かってないよ」だった。
しかし、それら30年近くがすぎ、AIが発達し、風洞でデータが細部まで検証され、そう大きな差はでない、という見方もあるが、今でも手書きで設計するニューウェイは、きっとこういうに違いない。「全然分かってない」。
さて、フロントローを独占する(予定の)レッドブル・ホンダ。さて、開幕戦では、マックスとピエールのどっちがポールポジションで、どっちが先に優勝するか。
[STINGER]山口正己
photo by REDBULL