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ザウバーからアルファロメオで悲しむ人と懐かしむ人

メルセデス、BMW、そしてアルファロメオ。ザウバー・ミュージアムより。

ザウバーが、昨年の冠スポンサーだったアルファロメオの名前で2019年シーズンのF1GPを闘うことが発表された。

イタリアでは、1950年の最初のF1GPとなったイギリスGPで優勝したジョゼッペ・ファリーナのアルファロメオ・ティーポ158を思い出して歓迎されているその一方で、ザウバーという名前が消えることを残念に思う意見もある。

日本にとってザウバーは、2009年トヨタの撤退の後に、“期待の才能”小林可夢偉を救ってくれたチームとして、強く印象に残っている。特に、2010年日本GPのオーバーテイク・ショーの結果の表彰台を思い出すファンは少なくない。

とはいえ、ザウバーが消滅するわけではない。コンストラクターとして活動を開始した直後に、メルセデスのCカーを作ったのはザウバーであり、最近で言えば2007年から2009年のF1GPの結果にザウバーの名前はないが、これは、BMWがザウバーに委託してチームを運営していたからだ。今回も、その時に似た状況と言えそうだ。

元々ザウバーは、他の多くのチームがイギリスか、もしくはイタリアに本拠地を構えている中で、スイスのヒンウィルを活動拠点にしていることからして、普通のチームとは一線を画している。

イギリスに多くのチームが本拠地を置いているのは、モーターレーシング産業が盛んで、様々な特殊パーツを作るファブリケーターがそろっているから。イタリアも、似たようなイメージだが、スイスとなると、基本的に総てを自社で賄う必要がある。

要するに、ザウバーの技術力の高さが際立っていることにもなる。第二期ホンダF1で活躍した後藤治さんや、池部秀人エンジニアが、在籍するのは、マシンの走行状態をいながらにして確認できる『7ポスト』を真っ先に採用するなど、ハイレベルのテクノロジーあってのことだった。

名称がアルファロメオに変わっても、ザウバーは質実的にザウバーであり、これまでの業績は、依然としてさん然と輝き続けている。

[STINGER]山口正己
photo by [STINGER]

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