F1合同テスト1最終日–ルノー、ホンダ、メルセデス、フェラーリがっぷり四つ
カタルーニャ・サーキットで行なわれた2019シーズンへの1回目のテストスケジュールが終わった。4日目の最終日は、チームの力がかいまみえる興味深い結果となった。
これまで爪を隠していた王者メルセデスが、初めて柔らかいタイヤを履いてショートランを行ない、午前中のハミルトンと午後を担当したボッタスがそろって実力の一端を見せた。ハミルトンは5番手タイムだったが、 前の4台が最も柔らかいC5タイヤだったのに対して、一段硬いC4タイヤを履いたタイムで、ポケットにマージンを残した。
トロロッソ・ホンダのアレキサンダー・アルボンが、午前中に最速タイムを記録してマシンの完成度の高さを見せたが、午後になって、ルノー・ワークスのニコ・フルケンベルグが一躍トップタイムを記録してモニター最上段を奪い取った。
ホンダ勢では、レッドブルのピエール・ガスリーが、11番手と地味なタイムに終わっているが、この段階では、柔らかいタイヤを履いたショートランのアタックをせず、ミディアムタイヤのみのロングランに徹底したため、本当の速さは見せていない。
また、最多ラップはジオヴィナッツィ+アルファロメオの154周で、ストロール+レーシングポイントとピエール・ガスリーのレッドブル・ホンダの146周が続いた。
レッドブルは、テクニカルディレクターのアドリアン・ニューウェイも現場入りし、徹底したデータ収拾の姿勢を見せ、この結果を反映するはずの2回目の合同テストを注目させている。
2回目の合同テストは、26日から3月1日までの4日間、今回と同じバルセロナのカタルーニャ・サーキットで行なわれ、3月17日決勝の2019F1GP開幕戦のオーストラリアGPに備えることになっている。
バルセロナ・テスト1 (プレシーズン・テスト) – 最終日 結果 | |||||||
順位 | ドライバー | チーム | タイム | タイヤ | 周回数 | ||
1位 | ニコ・フルケンベルグ | ルノー | 1:17.393 | C5 | 24 周 | ||
2位 | アレックス・アルボン | トロロッソ | 1:17.637 | C5 | 136 周 | ||
3位 | ダニエル・リカルド | ルノー | 1:17.785 | C5 | 34 周 | ||
4位 | バルテリ・ボッタス | メルセデスAMG | 1:17.857 | C5 | 57 周 | ||
5位 | ルイス・ハミルトン | メルセデスAMG | 1:17.977 | C4 | 58 周 | ||
6位 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1:18.046 | C3 | 138 周 | ||
7位 | ランド・ノリス | マクラーレン | 1:18.431 | C4 | 132 周 | ||
8位 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:18.511 | C3 | 154 周 | ||
9位 | ロメイン・グロジャン | ハース | 1:18.563 | C3 | 64 周 | ||
10位 | ケヴィン・マグヌッセン | ハース | 1:18.720 | C3 | 66 周 | ||
11位 | ピエール・ガスリー | レッドブル | 1:18.780 | C3 | 146 周 | ||
12位 | ランス・ストロール | レーシングポイント | 1:19.664 | C2 | 72 周 | ||
13位 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ | 1:20.997 | C3 | 17 周 | ||
14位 | ロバート・クビツァ | ウィリアムズ | 1:21.542 | C2 | 48 周 | ||
※参考タイム:
1:17.704 / C5(バルセロナ・テスト3日目にクビアト/トロロッソが記録した最速タイム)
1:18.247 / C3(バルセロナ・テスト2日目にルクレール/フェラーリが記録した最速タイム)
1:18.161 / C3(バルセロナ・テスト1初日にフェッテル/フェラーリが記録した最速タイム)
1:20.179(昨年のバルセロナ・テスト1初日にリカルド/レッドブルが記録した最速タイム)
1:17.221(昨年のバルセロナ・テスト2最終日にライコネン/フェラーリが記録した最速タイム)
1:16.173(昨年のスペインGP予選Q3でハミルトンが記録した最速タイム)
タイヤの種類 / 作動温度領域 | |||||||||||||
やわらかい | ← | → | かたい | ||||||||||
C5 (Uソフト) | C4 (Sソフト) | C3 (ソフト) | C2 (ミディアム) | C1 (ハード) | |||||||||
85~115° | 90~120° | 105~135° | 110~135° | 110~140° | |||||||||
※()内のタイヤの名前は昨年までの種類を参考にSTINGERで独自に割り振ったものです。
※通常のGP週末では全5種から選ばれた3つを硬い順から白黄赤に割り振られるため、タイヤは全部で3色しかありません。全5種が投入されるテストでは、両極端の硬さの2種類はサイドウォールのラインないテスト限定カラーが割り振られています。
【STINGER】
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