2019年シーズン用新型ピレリF1タイヤ
F1にタイヤを一社供給するオフィシャルタイヤサプライヤーとして9シーズン目を迎えるピレリは、今年も状況に対応し、バルセロナのF1合同テストでデビューした2019年型マシンに装着されるタイヤのスペックは、以下のようになる。
◆3種類の色と5種類のコンパウンド◆
2019年の各レースには、ホワイトがハード、イエローがミディアム、そしてレッドがソフトコンパウンドを現し、スリックコンパウンドは5種類が用意される。コンパウンドを現す「C」を冠し、硬い方から“C1~C5”と表現される。
5種類のコンパウンドがバルセロナの合同テストに登場し、最も硬いC1 にホワイト、最も軟らかいC5にレッドのカラーリングが施された。
シーズン中の各レースでは 3 種類のコンパウンドが登場し、C1からC5の識別は、テストのみで適用された。
◆テスト用のプロトタイプ・タイヤ◆
2020年用の開発タイヤとして、マーキングなしのプロトタイプタイヤがテスト期間中に供給された。
◆異なる温度と内圧◆
今年から、リアタイヤのタイヤウォーマー最高温度が80℃に制限される。フロントタイヤは従来通りの100℃のまま。変更の結果、リアタイヤの内圧が低く設定されることになる。
◆薄くなったトレッド◆
昨年、新しいアスファルトでのレース用に薄いトレッドのタイヤが使用され、目標通りオーバーヒートの抑制に寄与した。この結果を受け、同様の薄いトレッドが2019年用の全タイヤに採用される。
◆インターミディエイトとウェット◆
新設計のインターミディエイトは、より幅広いコンディションをカバーするように設計され、ウェット路面での性能の向上とスリックとフルウェットとの効果的なクロスオーバーポイントを持たせた。
フルウェットタイヤは形状が再設計された結果、耐アクアプレーニング性能向上により、豪雨の際のドライバビリティを高めている。
◆ウェットタイヤのレンジ◆
昨年、フルウェットとインターミディエイトには、高温用と低温用の2種類のレンジが存在したが、今シーズン用は、より汎用的な使用が可能になったことから、シーズンを通して、1 種類のみのインターミディエイトとフルウェットが使用される。
◆広くなった作動温度領域◆
オーバーヒートを抑制すべく、今シーズンのタイヤの作動温度領域は若干高くなり、全体的に作動温度領域が拡大した。
C1 110-140°C
C2 110-135°C
C3 105-135°C
C4 90-120°C
C5 85-115°C
(C1 が最も硬く、C5 が最も軟らかいコンパウンド)
【STINGER】
photo by PIRELLI