試されるピエール・ガスリーの真価!!
テストから4戦終了までの流れを見て、それぞれのドライバーのポテンシャルが見え始めた。特にレッドブル・ホンダの二人は、“ヤレる”マックス・フェルスタッペンと“期待外れの”ピエール・ガスリーという流れが固まりつつあった。しかし、レッドブルがアゼルバイジャンGPの直前に、ピエール・ガスリーのマシンのリヤダンパーに“異変”があったことを発見して、この予測が根底から覆されることになった。
アゼルバイジャンGPでも、ピエール・ガスリーは、結果として好成績を残すことができなかったが、走りの内容はまるで違った。ピットスタートから追い越し祭りで一時は6番手まで追い上げ、結果としてドライブシャフトのトラブルでリタイアを喫したが、そこまでの走りは、これまでとまるで違うものだった。
中国GPまでのガスリーは、「リヤの挙動のコントロールが難しいし」とコメントしていたが、同じクルマでフェルスタッペンは、3位、4位、4位、4位と、表彰台を含む安定した成績を残していることで、“腕の差”の烙印を押されていた。
しかし、リヤのダンパーの不具合が解決されたいま、マックス・フェルスタッペンとの本当の力の差が見えることになる。その最初のレースが、カタルーニャ・サーキットというのがなんともいい。
カタルーニャ・サーキットは、低速から高速までがバランスよく組み合わされ、トータルパッケージングが試されるコース。もちろん、ドライバーの力量も反映される。
今週末のスペインGPは、本場ヨーロッパの最初の闘いとして、各チームも力を入れ、多くがマシンをアップデイトして臨むレース。レッドブル・ホンダも新たなパーツを組み込んで、表彰台争いを狙っている。
まともなマシンを与えられるピエール・ガスリが、どんなレースを見せるのか、幕開けが待ちきれない。
[STINGER]山口正己
photo by REDBULL