ホンダ・パワーの駿即レポート–こんなところにも進化の兆し!?
モナコGP初日、フリー走行2で、ホンダ・パワーは4台中3台がトップ6に食い込んで期待を膨らませてくれたが、モナコGP初日にホンダF1レーシングは、「総てがうまくいっている」という田辺豊治テクニカルディレクターのコメントを入れた駿即レポートをリリースした。
通常、自動車メーカーのリリースは、安全を見越して何度何度も確認作業が行なわれる結果、時間がかかるのが普通だが、ツイッターで伝えられた“速報”は、フリー走行2が終わってから1時間以内に配信された。
普通は、ざっとこうなる。
セッション終了→取材→原稿執筆→確認→送信→担当受信&確認(場合によっては翻訳)→校正→場合によっては2チームの確認→担当確認→責任者に送信もしくは現物確認→責任者確認→返信→担当確認→公開処理→担当確認→公開。
人と人とのコミュニケーションを最大限に効率化し、リンクし合って進められるこの作業のうち、効率的に削除できる作業を削って行くが、時間を短縮すると比例してリスクが増える。
安全を売りにしている自動車メーカーにとって、間違いは許されないから念には念を入れるのだが、F1のスピードを考えるとのんびりしていると今度はそれがイメージに影響する。自分のイメージだけでなく、普遍的なF1のイメージも下手をすると損なうことになる。
要するに、この驚きのスピード感こそF1であり、人である。レーシングなホンダにも、もちろんF1にも、思わず拍手を送りたくなった。
[STINGER]山口正己
photo by Honda