ハースの二人の真実。物語を創りたがる人々
場合によっては報道が送り手の勝手な憶測やイメージで創作されることがある。今回のハースの二人、ロメイン・グロジャンとケビン・マグヌッセンの“ニアミス”に関して、ギュンター・シュナイダー・チーム代表が、“クソッタレ”と言ったが、真実はそこまで。その後の報道は勝手な憶測てんこ盛りだ。
木曜日の会見で、“ホッケンハイムで、スペインとイギリスに続いてぶつかったのは3回目ですが、これについては?”と質問がでた。物語を創りたくしょうがない質問者に応えた二人のコメントが、なかなか興味深い。
マグヌッセン「ボクたちのどちらからも悪意はなかったです。本当に不運でした。ロメインはクールな奴で、仕事でボクたちは楽しい時間を過ごしています。ラジオで文句を言っても、それはその時だけで吹き飛んでしまうので、見かけほど悪くはないです」
グロジャン「人々には良く見えないかもしれないけれど、ケビンとの関係は本当に良いです。週に1回くらい電話をかけます。チームが再びそういうことが起こらないようにしたいと考えるのは当然でしょう。ボクたちはチームのために最善を尽くしますが、世界選手権の1位か2位のために戦うほど速い車を持っていないので、まずはうまく動くようにすることが必要です」
「フットボールのピッチでは、マイクを持っていなくてもいい。選手同士で話しもできるけれど、F1では、すべてが放送されるのは素晴らしいけれど、それが物語を作ります。時速300キロで運転しているときは、“ああ、ボクの右にこないで!!とか思う。“戻ってくれ”とかね。それだけです。何度も言いますが、ボクたちの関係は悪くないです」
知能レベルはドライバーの方が上だということを、物語を作って面白くしたかった質問者は理解できただろうか。
[STINGER]山口正己
photo by [STINGER-Iguchi]